いつも通り寝てたら、バタバタ音がして目が覚めた。
見るとちび太が横になって痙攣して、失禁してた。
いつものてんかんだと思ってオシッコを拭いたりしてたけど、いつもと違って意識が回復しなかった。
慌ててバッグに入れて病院に走った。
ちび太は、目を瞑って具合悪そうにバッグにもたれてた。
途中でやっぱり行きつけの病院にしようと思って方向を変えたら、その日に限ってタクシーが全然いなかった。
この時変えたりしなかったら、助かってたかもしれないのに。
とにかく病院の方向に全速力で走った。
タクシーに乗れた時には息も浅くなってて、どんどん悪くなっていってるのがわかった。
運転手さんは「大丈夫?間に合うといいけど。」って心配してくれてた。
病院に着いた時にはぐったりで、息もしてるかわからないくらいだった。
急いで通してくれて、先生はすぐに人口呼吸と心臓マッサージしてくれた。
こんなに臭い犬なのに、何の躊躇いもなく口元を咥えて人口呼吸してくれた。
処置室に連れて行かれて、最後になるかもしれないなら立ち会いたかったけど、 入れなかった。
しばらくたって呼ばれて入ると、横になったまま、蘇生措置をされてて、やっぱりダメだったんだってわかった。
申し訳ありません。頑張ったんですが…回復しないですね。
それからも注射や蘇生をしばらく続けてくれた。
だめですね…
もう、戻ることは無いんですか?
はい…やれることはやりましたが、難しいです。
もう、意識も無いんですか?
はい。意識ももう無いです。
…わかりました。
最後にお別れを言ってあげてください。
っていう会話だったかな。
手を握ってみた。
まだあったかいのに、ほんとにもうだめなの?
目は少しあいてて、目が合った。
すごい優しい顔してた。
だけど、切ないような、心配してるような、最期に何か言いたいような表情に見えた。
「僕がいなくても、大丈夫だよね?ちゃんと、幸せになるんだよ?」
って言ってるように、勝手に感じた。
タオルとお花を入れてくれて、お辞儀して送り出してくれた。
あまりにも突然だった。
だんだん体が硬くなっていった。



