雑煮 地方による違い ②
· 長野県の信州雑煮は、塩ブリを入れる。能登の塩ブリが飛騨高山を経て運ばれる。餅を茹でてから、大根、人参、里芋、三つ葉を入れ、味噌仕立てにする。なお、長野県の佐久地方雑煮は、素焼きしたウグイの稚魚とセリと焼角餅を入れ、醤油仕立て。
· 愛知県の雑煮は、削り節と醤油を合わせたすまし汁に、角餅と青菜(名古屋近辺では「餅菜」(もちな)と呼ばれる小松菜によく似たもの、豊橋近辺では水菜)を入れて煮たあと削り節をかける。
· 京都の雑煮は、白味噌仕立てで、丸餅は焼かずに炊いておく。アワビ(鮑、鰒)、ナマコ(海鼠)、大根、親イモ、子イモ、昆布、開き牛蒡を入れる。コンブはヨロコブに通じ、親イモは出世、子イモは子孫繁栄、大根は根を張って安定した生活、開き牛蒡は開運を願っている。材料が溶け込みこってりと甘く、京雑煮独特の味である。
· 奈良県の雑煮は、白味噌仕立てで、里芋、大根、豆腐を入れて白一色にする家庭と、人参を加えて紅白にする家庭がある。関西の他府県と同様の丸餅であるが、焼いて入れるのは奈良独特である。さらに奈良県の雑煮を特徴付けるのは「きな粉雑煮」である。餅を汁から取り出して別皿のきな粉を絡めて食べる。多くの奈良県民には当たり前の食べ方であるので、例えば、寿司に醤油をつけて食べるのを敢えて「醤油寿司」と言わないのと同様、通常は「きな粉雑煮」とは呼ばず、単に「雑煮」と呼んでいる。
· 島根や鳥取の一部では、小豆汁に餅を入れた「小豆雑煮」。また出雲の広い範囲ですまし汁に十六島海苔(うっぷるいのり)など海苔を載せた雑煮を食べる。