会津田島祇園祭 会津田島祇園祭の流れ ③
7月21日
御神酒開き
「御神酒濁酒仕込」で仕込んだ2桶の濁酒が出来上がり、神社にて酒造検査を受ける。検査後直ちに朱塗りの行器(ほかい。食物を容れる器)に盛って本殿に供える。続いて社務所とお党屋本に1桶ずつ分けて運び出す。党本から宮司招聘の使いが出て、宮司は直ちに党本へ赴き、神棚を設け濁酒を献じる。これが終わると直会(なおらい)となりお党屋組全員や関係者等が集まり濁酒の出来栄えを評しながら興じる。
神棚つり
神棚は党本の家で最も神聖な場所に作られる。床の壁中央に大きな神幣を立て、その左右に神札と神号の書かれた掛け軸を下げ、添え台には中央に黒塗行器に供えた神酒、左に鯛2尾、右に赤飯をそれぞれ三宝に供え、床の間のおとし垣には紙縒(こより)で作った注連縄、床上には大きな木鉢に山盛りにした白米を供える。なお、23日まで4日間いっときも消してはならない油燈明が燈される。この神棚の前で神事のあと、党本の家内、祭典の用具・衣裳、炉、かまど等まで隈なくお祓いを行う。この日作られる神棚こそ、神社制度が未だ整わぬ太古の時代の神聖な場所であり、氏子たちが祭りのたびに神の降臨を仰ぎ、党本の家主が神官に代わる一年神主の役を請けて祭祀を執り行った名残りである。
神輿台組立
22日の神輿渡御で神輿は党本宅ほか町内6ヶ所で休憩するが、神輿台はその際に神輿を載せておく台のことで、木の框(かまち)組みで作られている。框組みの台になったのは寛延2年(1749年)の祭礼からで、それまでは臼を4つ並べてその上に神輿を休ませていた。
党本幕打
党本宅は「本陣」と呼ばれ、別に「脇本陣」が1軒定められる。この日より、党本・脇本陣は通りに面して神社の紋を染めた幔幕(まんまく)を張り廻らし、提灯を建てる。