角館のお祭り 曳山 構造
木材(主にナラ)で組まれ、各所はボルトで締結されている。電線が通る明治期以前は、現在の置山(おきやま)のように大きなものであった。また、曳山はもともと今のように引きまわすものではなく、担ぎ山であった。そのため、今でも前後左右のもっとも太い木は「担木(たんぎ)」と呼ばれている。現在では4つの車が付いている。また、昔は縄で組まれていたが現在では金具が使われている。前担木(まえたぎ)、横担木(よこたぎ)、後担木(うしろたぎ)、欄干(らんかん)、人形、もっこ、車(くるま)、引き手用ロープなどから構成される。総重量はおよそ3tとなる。
人形(にんぎょう)
前人形(まえにんぎょう)は「水屋(みんじゃ)」と呼ばれる少し斜めになった部分に乗っている。人形は前方に一体から三体乗せる。前に配置される武者人形は見どころの一つであり、毎年、歌舞伎の場面や、歴史上の人物を用いた場面が用いられる。
後ろ人形(うしろにんぎょう)
曳山の後ろには2~5個の酒樽か人形が乗せられている。この人形は特に「送り人形」・「送りっこ」などと呼ばれ、滑稽な人形が多い。かつて地元の高校が夏の甲子園秋田予選決勝に進出したときは立派な球児がお目見えしたこともあった。
もっこ
人形の後ろ側に標山(しめやま)が載っている。黒木綿で作られたその部分を「もっこ」という。
欄干
舞台の周りを囲っている。欄干には紅白が巻かれている。昔は木を朱色や白く塗ったものであった。
舞台
曳山の前部は小さいながら舞台になっており、踊り手がそこで手踊りを披露する。また、先導が曳山を移動させる時にもそこに乗る。
後部
後部にも小さいながら舞台のような感じになっているが、ここには酒やそのほか曳山で使用する道具などが乗せられている。しかし、もっぱら乗っているのは次世代を担う小若たちである。小若の特等席であるともいえる。