左義長 各地の祭り その他の主な祭り
どんと祭(さい)
宮城県およびその近辺。約10万人が訪れる大崎八幡宮(おおさきはちまんぐう)松焚祭(まつたきまつり。仙台市指定無形民俗文化財)を起源とする。1月14日夜に正月飾りを焼き、その火にあたると病気をせず健康で暮らせるといわれる。石巻市周辺では新生活運動により1970年代に前倒しが定着し、1月7日に行われる。松川だるまを新たに買い換えて、古いそれをどんと祭で燃やす習慣があるが、松川だるまの流通量が減少したのでだるまを燃やす習慣を持たない参拝者も多い。神火で餅を焼くということはなく、子供の祭りともされない。また、特に書初めを焼くということもない。寺社のみならず町内会などでも実施されてきたが、場所の確保等の問題で年々少なくなりつつはある。大崎八幡宮を初め、一部のどんと祭では「裸参り」が行われる。
さいの神・才の神焼き・歳の神
福島県会津地方、新潟ほか。会津地方では「歳の神」と呼ばれる。
福島県会津地方では1月15日に行われる。大沼郡三島町(みしままち)で行われる伝統行事は、「三島のサイノカミ」として国の重要無形民俗文化財に指定されている。
墨塗り
新潟県十日町市 松之山町(まつのやままち)。焼きを行った後の行事の名前から。稀な例。焼く対象を「賽の神」と呼ぶ。
おんづろこんづろ
富山県黒部市 宇奈月町(うなづきまち)下立(おりたて)の下立神社で行われる。燃え上がる炎が鶴の飛び立つ姿に見え、それが「おおづる、こづる」に、それが訛って「おんづろこんづろ」になった。
三九郎(さんくろう)
長野県松本地方。同地方で道祖神の祭りを統括する神主「福間三九郎太夫」(ふくまさんくろうだゆう)の名前にちなむといわれるが、他にも諸説ある。だるまは一番目立つ頂上付近に飾り付ける。旧来は1月15日に行われていたが、最近は学校の休みに合わせ、1月7日ごろ行われるところが多い。米の粉で作った団子「繭玉」を柳の枝に刺して焼いたものを食べ、無病息災の祈願をする。
かんがり、かんがりや
長野県 南佐久郡(みなみさくぐん)川上村。
かがり火の転とも、歳神様を天に送る(神上がり、神上がり屋・夜)とも言われる。
墨付けとんど(墨付け神事)
島根県松江市 美保関町(みほのせきちょう)片江地区。1月7日(2010年(平成22年)以降は1月第2日曜日)に行われる。神輿を持ち「チョーヤサー」と言いながら練り歩き、最後は神輿を持って海へ入る。その前の年に結婚した人やテレビのアナウンサーも海に入る。そして参加者や見物人の顔に墨を塗る。稀な例。