日高火防祭り 各種行事 ④
本祭
祭当日は、古式にのっとり行われる。
朝、日高神社に各町組の年番長(各町組の代表)が集まり、祭の安全を祈願する「年番祭」が行われる。宗家である日高神社より御札を受け取った年番長はただちに各屋台に戻り、御札をはやし屋台にくくり付け運行が始まる。
各町組屋台は各自の町へ挨拶回りを行い、参拝の為日高神社へ向かう。しかし、日高神社参道が狭いため、町印、打ちばやしのみが神社境内で参拝を行い、はやし屋台は参道手前の大手通り(大畑小路界隈)に集結し「遥拝式」を行う。遥拝式では全はやし屋台が横一列に神社方向へ向き、お祓いを受け一斉にお囃子を演奏する。その後、行列をなし吉小路、大手町を通り水沢城大手門があった奥州市役所本庁前に集結する。
午後1時15分、消防団による纏(まとい)振りを先頭に各町組の屋台が整列し、川口町、立町、柳町、大町、横町、袋町とかつての町屋(まちや)地区を練り歩く。途中、横町にある水沢消防の祖 佐々木佐五平(ささき さごへい)像に各町組が参拝する。また、はやし屋台に乗るお人形さんや祭関係者の店先に到着すると屋台を回転させ、演奏を披露しながらゆっくりと練り歩く。夕方、中央通りに到着した行列は町印・打ちばやしが抜けはやし屋台のみとなり夜の祭へと装いがかわる。
午後6時40分、一斉に雪洞(ぼんぼり)が点灯され祭のクライマックス「揃い打ち」「相打ち」が始まる。水沢駅前交番付近にてはやし屋台全9台が集結し、お囃子を一斉に演奏する「揃い打ち」が行われる。その後、会場をメイプル前交差点に移し「相打ち」が行われ、その年のメイン町組となるはやし屋台が1台待ち構え、他はやし屋台8台と相対しお囃子を披露しあう。最後に互いの町組に仁義礼をつくし三本締めを行う。
一通りの行事を終えたはやし屋台は各町の入口へ到着すると、町に帰還したことを知らせる為にお囃子を演奏する。それを聴いた町の人々は軒先で提灯を持ち出迎え祭は終わる。
※屋台行列の隊列順はかつては横町組→袋町組→駅前三町組→川口町組→柳町組→城内組→立町組→吉小路組→大町組と決まっており、横町組には笛師の皆伝者が乗る屋台として先陣、大町組は殿様の子供が乗る屋台として殿(しんがり)と決まっていたようである。相打ちのメイン町組も横町組と決まっており、笛師皆伝者の乗る屋台に挨拶するのが恒例となっていたが、現在では隊列の順番に合わせ毎年相打ちのメイン町組が換わる。昼間の屋台行列もメイン町組を先陣とした隊列を組むかたちとなっている。