空無辺処(くうむへんしょ)


空無辺処(くうむへんしょ)とは、無色界の(下から数えて)第1天。無量空処(むりょうくうしょ)とも言う。物質的存在がまったく無い空間の無限性についての三昧(さんまい)の境地。


物的存在たるこの肉体を厭(いと)い、無辺の虚空の自在を欣(よろこ)び、空無辺の理(ことわり)を解し、修行して生ずる処である。欲界色界とにおける一切の物質的な形を離れ、一切の作意のない、無辺の空を観じる禅定。形のあるこの肉体を厭い、大空は無限であることを達観すること。無色界には空間的な場所はないが、果報の違いにって感じるので「処」と名付ける。