現世利益(げんせりやく)
神仏などの加護によりこの世で得られる利益のこと。仏教では、『法華経』『金光明経(こんこうみょうきょう)』『薬師経(やくしきょう)』などの大乗経典で強く説かれ、祈祷(きとう)、読経、念仏などにより、延命、息災、治病などの利益が得られるとされる。とくに密教では加持(かじ)祈祷による現世利益が強調された。また日本の民間信仰やそれを基盤に生まれた新宗教は、現世利益をその基調とする。ただ、仏教の建て前が現世利益を第二義的なものとしていることもあって、現世利益中心の信仰は「ご利益信仰」と蔑称されることが多い。