死体(したい)


死体(したい、屍体)とは、生物を迎え、その生命活動を停止している状態ののことである。但し、日常の用語として「死体」と言った場合、人間ないし動物の死体までを指すことが多い。

日本語では、「死骸」(しがい)、「遺骸」(いがい)、「亡骸」(なきがら)、「」(しかばね)、「」(むくろ)などとも言い、互いにニュアンスが異なる(後述)。また、直截的な言い方がはばかられる場合には、「ほとけ」・「ほとけさん」などと言うこともある。




「死体」と「遺体」との相違




「死体」は、一個の物体としての即物的な印象を与える用語である。そのため、死者の人格を尊重するような場面では、これを避けて「遺体」(いたい)の語を用いる。「死骸」、「屍(しかばね)」も同様に「遺骸」、「亡骸(なきがら)」等と言い換えられる。

日本報道では、一般的に死者の身元が不明の場合に「死体」を、身元が判明した時点ないし当初から判明している場合に「遺体」を、それぞれ用いた。但し、近年では、身元不明でも「遺体」を用いるように変わりつつある。

なお、地質学生態学などにおける学術用語として「生物遺体」・「動物遺体」・「植物遺体」などの用語もあり、「遺体」が必ずしも動物に適用されないわけでもない。また、刑法では、「死体遺棄(死体損壊)」のように「死体」が用いられる。

公共交通機関の持込み禁止手回り品については、鉄道バスタクシーなら「死体」、船舶航空なら「遺体」と表記されることが多い。鉄道運輸規程・旅客自動車運送事業運輸規則に「死体」、海上運送法第9条第3項の規定に基づく標準運送約款(国土交通省告示)に「遺体」と表記され、それに各事業者の規則・規程・約款等も倣っているためである。