合掌(がっしょう)
合掌(がっしょう、Skt:Añjali)とは、インド起源の礼拝(仏教では「らいはい」と読む。仏教以外は「れいはい」)の仕草。両手のひらを胸または顔の前で合わせる。
右手は仏の象徴で、清らかなものや知恵を表す。左手は衆生、つまり自分自身であり、不浄さを持ってはいるが行動力の象徴である。両手を合わせることにより、仏と一体になることや仏への帰依を示すとされる。 他人に向かって合掌をすることは、その者への深い尊敬の念を表す。
海外(特に欧米)ではしばしば挨拶のつもりで極東の東洋人(日本人・中国人・韓国人など)に向かって合掌しお辞儀をするものがいるが、実際に合掌をするのは東南アジアや南アジアの一部の国や地域(インドやタイなど)に限る。このステレオタイプはアメリカをはじめとするメディア(娯楽番組・映画・アニメなど)にしばしば登場する。
日本では仏教に関する儀式の際に行われるだけでなく、お詫びをするときやお願いをするときに、相手を持ち上げるための仕草として使う例もある。 また、食前食後の挨拶の際に合掌する例もあるが、これは仏教由来の習慣である。 仏教徒は、あらゆる挨拶において合掌をする。 神道では拍手(はくしゅ・かしわで)として手を打ち合わせるが、その後は両手を下ろし、お辞儀して礼拝する(神道の礼拝では本来、合掌はしない)。
また「合掌」という言葉は、日本語での文章語として、(多くの場合亡くなって間もない)故人に向けての哀悼の意を示すべく、文末に添えられることがある。