死(し)
ブッダが説いた教え、仏教では死は人間の4つの苦しみ(生・老・病・死)の1つであるとされている。
日本の神道と仏教
神道では黄泉(よみ)の国・彼岸(ひがん)へ行くと考えられたりもした。日本では、新党的な世界観に基づいた表現である、「冥土へ旅立つ」「黄泉に赴く」「帰幽(きゆう)」(幽界へ帰る)などの表現を用いる人も多い。また日本では、古代に言霊(ことだま)の思想などもあり、「死」という語を声に出したり書にしたためたりするのは不吉であるとし、これを禁忌(タブー)として扱ってきた。
日本の仏教では、宗派により考え方は異なっており、輪廻転生をしていて、悟りを得た者は輪廻から解放される(解脱する)としている宗派もあるが、輪廻転生はしていないとする宗派もある、そのようなことがらについては、どちらだとも説明しない宗派もある。 ただ、信者の死は輪廻転生思想に準じた「あの世へ行く」「他界」「往生」「成仏」などと言うことが多い。高僧の死は「入滅(にゅうめつ)」「入寂(にゅうじゃく)」「遷化(せんげ)」などともいった。
また「鬼籍(きせき)に入る」という、中国的な世界観に基づいた表現、あるいはそれと混交した仏教での表現、も用いられることがある。また、高齢まで生きて死んだ時に用いる「天寿を全うする」「大往生する」といった表現も、話者はあまり意識していないが、上記の世界観から生まれている。