戒律(かいりつ)
戒律(かいりつ)とは、仏教において守らなければならない、道徳規範や規則の事である。律法(りっぽう)とも。
仏教においては本来、戒(シーラ)と律(ヴィナヤ)に峻別されるが、一般的に混同して使用されることが多い。
戒 (かい)
戒(サンスクリット語:शील śīla)とは、在家が守るべき、自分を律する内面的な道徳規範である。出家者も律に加えて菩薩戒などを受けることがある。戒には五戒(ごかい)・八齋戒(はっさいかい)・菩薩戒(ぼさつかい)・十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)・三聚浄戒(さんじゅじょうかい)などがある。なお、戒を守ること(「持戒」)は、六波羅蜜のひとつである。
律(りつ)
律(サンスクリット語:विनय Vinaya)とは、僧侶が僧団で守るべき集団規則である。戒を破っても罰は受けないが、律を破ると罪の内容によって様々な罰を受ける必要がある。例えば波羅夷罪(はらいざい)と呼ばれる四つの罪を破った場合、僧団を追放された。また、僧残罪(そうざんざい)では、僧団を追放されるという事はないが、一定期間、僧としての資格を剥奪されるなど、罪により罰則の軽重が異なる。上座部仏教では227戒、大乗仏教では用いる律によってその数が異なるが、四分律(しぶんりつ、しぶりつ)の場合、比丘(びく)は250戒、比丘尼(びくに)は350戒の戒がある。