波羅蜜(はらみつ)


波羅蜜(はらみつ、パーリ語:Pāramī パーラミー )、玄奘以降の新訳では波羅蜜多(はらみた、サンスクリット語:पारमिता Pāramitā パーラミター)は、仏教における菩薩の基本的な実践徳目である。

般若経』では般若波羅蜜(般若波羅蜜多)ほか全6種(六波羅蜜)を、あるいは『華厳経』などではこれに4種を加え10種(十波羅蜜)を数える。『摩訶般若波羅蜜経』は九十一波羅蜜を列挙するが、全体としての徳目は六波羅蜜である。




語源

中国や日本の伝統的な解釈では、これを "pāram"(彼岸に)+ "ita"(到った)という過去分詞の女性形と読み、彼岸(覚り)に到る行と解するのが通例である。「度(ど)」「到(とう)彼岸」などの訳語や、チベット語訳の pha rol tu phyin pa(彼岸に到った)もまたこの解釈からきている。

一方、言語学的に支持されているのは、Pāramitā を、"pārami"(<parama 最高の)+ "tā"(状態)と分解する説で、「究極最高であること」「完成態」と解釈すべきとしている。