苦行(くぎょう)
苦行(くぎょう)とは、身体を痛めつける事によって自らの精神を高めようとする宗教的行為。禁欲とも密接に関係し主立った宗教(仏教、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、神道など)には共通して禁欲主義的な傾向が見られる。
仏教における苦行
開祖釈迦本人は出家した後、断食などを伴う激しい苦行を積んだが、苦行はいたずらに心身消耗するのみで求めていたものは得られぬと説いたという。 しかしながら自らの中の仏性を目覚めさせるという仏教の姿勢から、苦行はその手段としての重要性を失うことは無かった。後禅宗の只管打坐(しかんたざ)においてそれは極まる。
極端な例
苦行を極めていくと、自らが死に至るまで苦痛を味わうという境地になる。この例が殉教の一種であり、仏教では「捨身行」という。日本では普陀洛渡海(ふだらくとかい)という形で表れたのが顕著なもの。
仮説
脳科学によれば神経伝達物質にエンドルフィンというのがあり、これは一定以上の苦痛を受けると、それを緩和するために幸福感をもたらす作用があるといわれる。この説に従うと宗教者が苦行の果てに神や仏を見出す事に生物学的説明がつく。