「ほとけ」または「ぶつ」、「佛」がもとの漢字国語国字改革以後(当用漢字常用漢字)は「仏」。

§ 仏陀仏教ヒンドゥー教ジャイナ教などインドの伝統で「覚者」「悟った者」のこと。如来(にょらい)、応供(おうぐ)とも。ほとけ」の語源は浮屠家(ふとけ)、浮屠=仏塔を礼拝する、家=学派から来ている。

§ ゴータマ・シッダルタ、釈迦(一族の名):覚者(ブッダ・仏陀)として目覚めた仏教の開祖。覚者となったあとは釈尊、釈迦如来あるいは仏教ではたんにブッダ・仏陀という。

§ 菩薩明王や高僧などで、仏(如来)になれるが、人の救済のためなどあえてなろうとしない人。

§ 仏像。「仏作って魂入れず」

§ 仏のように善良な人。「仏の顔も三度」

§ 日本における死者の婉曲的な表現。ほとけさま。死後に西方極楽浄土へと往生成仏するという浄土系仏教特有の考えから。「仏になる」

§ 警察官による、死者に対するいささか品の悪い表現。上述より殺人事件の被害者=ガイシャなどと同列に用いられる隠語。


なお、死者を仏と呼ぶようになったのは、日本の中世以降、死者をまつる器として「瓫(ほとき、ほとぎ)」が用いられて、それが死者を呼ぶようになったという説もある。ただし、古来より日本では人間そのものが神であり(人神=ひとがみ)、仏教が伝来した当初は仏も神の一種と見なされたこと(蕃神=となりぐにのかみ)から推察して、人間そのものを仏と見立てて、ひいては先祖ないし死者をブッダの意味で「ほとけ」と呼んだとも考えられる。