四聖(ししょう)


四聖とは、天台宗において六道に付加された4つの世界を指す。寓画的な世界よりも、むしろ人間の精神状態といった意味合いが強い。この四聖を悟界(ごかい)という。



声聞界(しょうもんかい)

仏法を学んでいる状態。仏法に限らず、哲学・文学・物理学、さらには大衆娯楽や子供の戯言に至るまで「学ぶ」状態を指す。


縁覚界(えんがくかい)

仏道に縁することで、自己の内面において自意識的な悟りに至った状態。仏界における「悟り」とは根本的に異なる。


菩薩界(ぼさつかい)

仏の使いとして行動する状態。自己の意思はともかく「行動」そのものを指すとされる。


仏界(ぶつかい)

悟りを開いた状態。