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昨年このブログの「80年代アイドルレビュー」書庫にて取り上げた中森明菜さんの「キャンセル!」。それこそ明菜さんは80年代アイドルにおける女王的な存在だった方。そのレビュー後にはその彼女となんらかの‘おつながり’のあったアイドル楽曲を取り上げてみたりもした。でもって今回も…ってかホントはこの記事、とっくにうpしてるハズのソレだったんだけど。遅れに遅れてやっとこさ…なんて感じなのでありまする。それでも無理矢理にネジ込もうとするワタクシメ…なんだか80年代の賞レースを思わせるような展開かしらん?典子レビューと右に同じで読者の皆様から今にも怒号が聞こえてきそう~でもいいの。(笑)まぁ、とにもかくにもピックアップしてみたのはこのお方なのでゴザイマス。

それはそうと、この方と明菜さんのご関係と言えば…

研音

そう、コレでゴザイマシタよね。研音と言えば現在ではグループ企業として5社を構成、たくさんの人気俳優やミュージシャンを抱える大企業である。しかし80年代前半くらいまでは浅野ゆう子さんあたりがその主軸で、「少女A」でブレイクし中森明菜さんにワラをもすがる思い?…といった立ち位置。なので明菜さんが新人賞レースで不遇な目にあったりとか…色々とあったものでゴザイマス。要は他大手と比らべたらまだまだ非力じゃ!…といった状態の社だったワケである。

その事務所で明菜さんとおつながりがあった…というのが、今回のレビューの主役であるこの方なのでありまする。それこそ当時の業界ではこうしたおつながりから‘明菜の妹分’なんて扱いがなされていたこともゴザイマシタ。

このようなワケで今回はこの方が放ったあの1曲をレビュってみたいと思うのでありまする。

表題の「私MAILUWA」は山本ゆかりさんのデビュー曲として、1984年6月21日に発売された楽曲である。タイトルのMAILUWAはもちろん‘まいるわ’の意味で使われている。なぜにわざわざアルフェベット表記にしたのかはナゾである。

山本ゆかりさんと言えば…

「第1回九州歌謡選手権・ヤングフレッシュ」

このコンテストにて同年の1月に優勝をカマされ、あれよあれよという間の半年後にアイドル歌手としてのデビューを飾ってしまった…ということでも知られる方である。元々、このコンテストはトーラスレコードと研音が共同で主催していたもの。そのコンテスト名に著されているように応募者は九州限定。なぜに九州という場所に拘ったのか…コレもちょっとナゾだったりもする。おそらくは前出のアイドルでトーラスレコード所属だった早見優さんが、トップアイドルとして成功の道を歩んでいたことからなのかと思われ。ちなみに優ちゃん自身は静岡県熱海市のご出身である。おそらくはなんでもいいけど‘ポスト優’なる少女を探すべく…バタ臭くエスニックな感じの娘がいそうな場所での開催?とかこつけたのかと思われ。このコンテストがどれだけの期間まで実施されたのかもナゾである。(笑)

そんなゆかりさんは6月6日生まれ、ゾロ目日にご誕生された双子座ちゃんで…

仕事も趣味も唄うこと

こんなことを公の場で豪語するほどの、根っからのウタ好き九州娘。たしか彼女が出場した「新宿音楽祭」において司会者による歌前のぷち紹介もコレだったような記憶があるのでゴザイマス。そこまで豪語しちゃうのですものネ。彼女は2000年代に入ってからもyuka-riというネーミングにより歌手として立派に活動中だったりもした。1984年のデビューから長きに渡り唄い続けるなんて!ゆかりたんったらホントに歌うことがお好きだったようでゴザイマス。

こんなウタ好き九州娘のデビュー曲は、作詞・曲ともに都志見隆氏が手がけたモノ。都志見氏は広島県広島市のご出身であり、元々は研音にスカウトされシンガーソングライターとしてもデビューされた経歴を持つ方らしい。業界的には作曲家としての登録らしいが、ゆかりさんのデビュー曲ではめずらしく作詞も手がけられるほどの気合のいれっぷり。そんな彼の80年代ワークにおけるおもなものは…

「SAND BEIGE-砂漠へ-」 
「TANGO NOIR」 以上、中森明菜
「FU・RI・NE」 増田けい子
「片想いグラフィティー」 真弓倫子
「PASSION」 仙道敦子
「危ないボディー・ビート」 石川秀美
「ごめんよ涙」 田原俊彦

これらあたりだろうか。90年代に入ってからは破竹のご活躍となり、中嶋美智代さん、TOKIO、三浦理恵子さんなどなど…アイドル関係は一挙に引き受けていた印象もありきだったりもする。

♪チャチャ~チャチャッチャッラッラ~

こんな威勢の良いイントロに乗せ、新人アイドルのデビュー曲にしちゃめっぽうめずらしい16ビートのリズムで始まるゆかりさんのデビュー曲。16ビートを採用した時点で、歌に関する平均点以上の実力はお持ちなのネ~ゆかりたん!といった推測が立ったりもするトコロ。さもないとこむずかしい16ビートの曲なんて唄えやしないですからぁ。(笑)とにかくイントロの時点からなにかこう、こジャレた印象を聴き手に植えつける楽曲である。

♪流れ星は恋のイニシャル
 夏の夜空 ひとっ飛び

と始まるこの曲はいわゆる‘ナツウタ’である。まだまだ日本は真冬の最中だというのに…自分がいる国の季節に合わせやがって!なんて再度の怒号もチラホラかしらん。たまには季節をムシしたレビューってのも…実際に研音所属でゆかりの妹分だった森田まゆみさんの時にもソレをカマしてたワタクシメ。まぁ、研音つながりの季節はずれ…ってことでどうかご了解を!

でもって…この曲。この後にちょっとばかりスゴイ展開になるの。それが…

♪ま~んげ

ココ。ちょっとぉ…アイドルにこんなお歌を唄わせちゃってよかったの?といった風情か。いえいえ…

♪満月の夜は男を 狼にするミステリー

本来はこういう歌詞なのでゴザイマス。ただ音の区切りの関係でネ…そういう風に聴き手を一瞬だけ「ドキっ!」っとさせる効果(←ってそう思っていたのはワタクシメだけかしらん)もあったりで?いずれにしても曲の冒頭からの‘つかみ’はなかなかのようでゴザイマス。

♪汗の匂いになんとなく 男らしさ感じて
 わたしから夕暮れラブコール 確かな恋の予感

そう。要はこの曲ったらば、ウズウズしてる少女が好意を寄せるオトコにラブコール。でもって超えてみたい一線を今夜こそは超えてみようかしらん?といった興味シンシンゾクゾクモードに突入したムスメを主人公に据え、そのラブコール後の‘やりとり’を描いたお歌なのでゴザイマス。殿方がお待ちかね(?)の、そうしたやりとりに関しては歌の中盤以降で…

タッチ、ホールド、キッス

こんなお言葉群と共に、その彼との‘たわむれ’はタップリと描かれていたりもする。イヤイヤイヤもスキのうち…じゃないけれど…

タッチはそこまでよん、抱きしめるのは許すわん、キッスは…迷っちゃう

などと、要はあの‘一線’を超えるべきなのか否か悩みまくりながらも、実はドキドキな恋のゲームを堪能しまくる乙女?といったトコロなのか。でもこのお相手様はそんな主人公様をもて遊ぶかのように…

♪あなたは切なく 瞳みつめて
 そっと魔法にかけてしまうの

ふむ…かなりプレイボーイとしての術を見につけたオトコのようでゴザイマス。(笑)こんなもて遊ばれ方をされてる主人公様のおキモチとやらが、歌サビにやってくる…

♪私MAILUWA

コレなのでゴザイマス。でもでも…コレは決してイヤだからっておキモチからのお言葉じゃなくってよ。

♪私MAILUWA つまさきまで
 感激フィーリング

ほらネ。♪いやよ~いやよ~すきよ~。やはりイヤイヤイヤもスキのうち…このムスメもやはりこうした状況下にその身を置き、そのスリルを思いっきりご堪能されているようでゴザイマス。思春期の女の子ってやっぱりこういうものなのかしらん、ナゾ。(笑)

この曲はオリコン最高80位、1.6万枚を記録して目出度くトップ100への食い込みに成功!ってかホントはもうちょっと売れてほしい楽曲だったのだけれどもネ。当時はレコ会社や事務所からのプッシュもあり、しかも山本ゆかりご本体様の実力だってかなりのものでゴザイマシタよね。会場の奥の奥まで響きわたりそうな声量感&16ビートのムズカシイ楽曲を唄いこなせる抜群のリズム感。歌手としての素質はかなり持っていた方だったように見受けられるのである。ただソレが災いしてしまったのか、シングル盤では出す曲出す曲がそれぞれまるっきり違ったイメージを持つ作品となってしまい…うん、なんだかハッキリ言って統一感はまるでない。どのレコジャケを見ても笑顔は一切合切ナシってところから判断するに…やっぱり明菜親分を取り巻く子分?(←こらっ!妹分でしょ)として相応しく‘ツッパリ&ヤンキー路線’ってのがコンセプトとして敷かれていたのか、おそらくは。ファーストアルバムのタイトルもソレにそぐわせるかのように「M・A・J・I」だったしね。ゆかりさん自体は逆に笑ってる時の方が茶目っ気タップリコンコンで…可愛かったように思うのだが。

■山本ゆかりさんのディスコグラフィー

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「ノン・タイトル」「ギンギラ御嬢」「GAMBLER」「LONELY YESTERDAYS」「井の頭公園」

そんな彼女も新人賞レースではそこそこのご活躍。中でも「日本テレビ音楽祭・新人賞ノミネート」(←またかいっ!)では本選出場の1人として選らばれたという、輝かしいご経歴を持っていたりもする。デビュー曲のイントロが演奏されて「えっ?アタシ?」とばかりに舞台中央にゆっくりと進まれ歌唱をカマされたゆかりさん。唄い終わってからも「もらっちゃっていいんですか?」なんて謙虚なお言葉を吐くゆかりさん。そう言えば、お名前の「ヤ」つながりでお隣に立っていた山本陽一クンのお顔が「なんでお前が!?」と言わんばかりの仏頂面になってるのが、このシーンにおける意外な見どころだったりで^^;。

♪私MAILUWA

ゆかり、マイるわぁ~!そんな顔されたってぇ~選ばれちゃたんだから仕方ないでしょっ!ゆかりさん的にはこんなおキモチだったのか、おそらくは。(笑)

☆作品データ
作詞・曲:都志見隆 (1984年度作品・トーラスレコード)