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1982年6月1日に表題の「月曜日はシックシック」でデビューした三井比佐子さん。ニックネームはチャコ。彼女は同年にデビューした北原佐和子さん、真鍋ちえみさんと共にパンジーを結成していたひとりだった。パンジーとはモデル事務所「オスカー」出身の3人を組ませて売り出されたユニットだった。歌手デビュー前から個々にTVドラマやCMなどで活躍し、「夏の秘密」という3人が主演の映画まで製作されるなどかなりの期待をかけられていた。トシちゃん、マッチ、よっちゃんのたのきんトリオに続けとばかりの、いわば、それの女バージョンだった。

三井さんのデビューは3人の中でも最後に設定され、キャッチフレーズの「抱きしめて!青春天使」と共に華々しく大トリを飾る…ハズだったのだが「月曜日はシックシック」という、またなんとも垢抜けないタイトルのデビュー曲を与えられてしまい、これが彼女の芸能人生の命運を決定づけてしまったのだ。「シックシック」とはその言葉からも想像されるように、とある女の子が猛烈に好きな彼氏に会いたくてシクシクと悲しがっているという意味ももちろんあっただろうけど、歌詞をよく見てみるとこの「シックシック」には英単語で病気を意味するSICKの意味も含んでいたのである。上に記述した歌詞でもお分かりのとおり♪恋のお医者さま~と歌っているくらいだから、なぜにシック=(イコール)SICKなのかが理解できるだろう。まぁ、このくらいなら許容範囲なのだがこの曲の凄まじさを更に増幅させているのが曲前奏のコーラス部分に使われた♪SICK 36のところだろうか。あの…えっと…シックサンジュ~ロックって一体…???この時点でかなり悪寒を感じるのだが、おそらく勘の良い方はもうお分かりだろう。要は病気を意味する単語、SICKを4×9と読ませて…だから~答えは=(イコール)36…!う~ん、もう寒すぎです。
しかも異常と思えるほどテンションの高いチアガールのお姉さんみたいなお方の声がこのコーラス部分を担当していて、しかもそれがガンガンに効いている…。なんだかこの時点でビョーキ度全開、しょっぱなから危険な暴走アクセルフル回転といった風情。でも、病気がテーマの曲だからこれでいいのかも…。
サビ部分の♪月曜日はシックシック~の部分などは、テンション高過ぎお姉さんコーラス隊が「これでもかっ!」とばかりにガンバっちゃって迫ってきます。要は恋の病に侵された女の子の歌だったのですね~。そのサビのところで小首を左右にかしげるおちゃめなチャコちゃん…このハジけ具合は特筆モノ。未だにマニア人気が高いのもうなずけます。

でコレを歌った三井さんご本人はどうだったのかというとさすがモデル出身だけあってなかなかのアイドル顔。パンジーの中ではキレイ系で一番整ったお顔立ちだったようにも思う。歌手デビュー前は前評判も高く人気もかなりあったと記憶する。ただ歌の才能に関しては…この曲に勝るとも劣らないある意味、凄い歌唱力の持ち主(!?)であったことも付け加えておこう。脳ミソがトロけそうになるなんとも言えない不安定さがとってもステキでした。ご本人も「歌はやっぱり合わないわぁ~!」とばかりすぐに悟ってシングル2枚とアルバム1枚を残し歌手活動を打ち止め終了。その後、少しのブランクを経てタレントとして復帰されたのを見たけれど「月曜日はシックシック」でのハジけ具合を彼女に再び見つけることはなかったなぁ…。

でもなんだかんだ言ってこの曲、ちゃんと実績を残してるんです。オリコン最高93位、合計1.1万枚を売り上げ、しかも5週間連続でチャートインしてたのですから大したものです!

☆作品データ
作詞:高平哲郎 作曲:筒美京平(1982年度作品)