たった1週間の闘病で、坂道を転がる様に悪くなります、あっという間に行ってしまいました。
受けた手術が失敗して亡くなりました。
その手術を望んだのも、承諾書にサインしたのも私。
皮肉なことに、結婚して1年で名前を書く機会なんて少なかったから、なんだかその期間にたくさん夫の苗字になった私の名前を書きました。
手術が失敗して、戻って来た夫は別人の様に顔が浮腫み、手足は死人の様に冷たかった。
でも取り付けた補助人工心臓だけは、決まった感覚で脈を打っていました。
私は、
子供だけでも産めませんか?
と主治医に聞きました。
答えはダメです。
身体の末端から器官は死んでいくから。
旦那の家族は私より状況がわかるので、
義父は戻って来た夫をみて執刀医に
もう脳はダメですね?
と聞いていた。
私はその時初めて、心臓が動いていれば行きていると言うわけではないんだと知りました。
手術を始めてから27時間後、
夫が私のところに戻ってきて15時間後、私は主治医に言いました。
機械を止めて下さい。
機械とは、夫の心臓を動かしている機械のこと。
つまり、私は夫の心臓を止めて下さい。
と言ったのです。
先生は
いいんですか?それって…
と言ったけど、私はなぜそんな事を聞くのかわからなかった。
今思えば機会を止めると言うことは、夫の命を終えることだから。
でも、その時の私は兎に角夫を苦しみから救ってあげたかった。
もう助からないのなら、脳が死んでしまったなら、頑張らなくていいと思った。
夫と会えなくなって6年経ちました。