「いらっしゃいませ。」
このカフェを開いてから何度も口にしたこの言葉。
今じゃあたりまえだけど、
あのころは・・・。
「・・・ぇ、たぇ、多恵っ!」
はっ、と我に返る。
「あ・・・れ、咲。
どしたの・・・・・・?」
「どしたの?じゃないよ!
注文っ!!ホラ、起きなさい!」
「べつに、寝てなんかいないよー・・・。」
「気が寝てたよ。」
・・・そーかも。
ぼーっとしてたかな・・・。
「ごめん・・・。
あ、注文は?」
「まったく。気をつけてね、オーナーさん。
・・・で、注文ね・・・・・・。」
『オーナーさん』
そう、私はこのカフェのオーナー。
申し遅れました、和泉多恵といいます(笑)
オーナーっていっても
このカフェは従業員が少ないから私も働いてて
『オーナー』なんて言葉は
もはや肩書き状態だけどね(笑)
それでも、今が楽しいから
気にしたことなんてないかな。