MOSAIC.WAVさんのニューアルバム発売おめでとうございます。
今回、sakurabuさんのアドベントカレンダーの企画を知り、すこしだけ昔話をさせていただきます。
ぼくがMOSAIC.WAVと出会ったのは、2003年9月25日。
あのとき、秋葉原で「ギャルゲーインストアライブ」という一枚の告知を見つけたことで、
その後のぼくの人生は、すこしだけ愉快な方向にねじ曲がりました。
イベントの会場は、秋葉原にあるメイド喫茶でした。
内容はギャルゲーソングのカバーをメインとしたインストアライブ。
出演者は、「MOSAIC」
-そう、のちに「MOSAIC.WAV」として幾多の名曲迷曲を世に送り出すことになる音楽ユニットです。
2003年当時といえば、UNDER17が本格的なライブ活動を開始していたものの、
KOTOKOが初ライブツアーをスタートさせるのは翌2004年からであるなど、
まだギャルゲーソングをライブコンテンツとして聴く機会に恵まれているとは言いがたい頃でした。
確か、このときのインストアライブ、
それほど広くない店内でしたが、客席はほぼ満席だったかな。
メイド喫茶の常連客をふくめ、あまりライブ慣れしていない客層のようにも見えましたが、
最後には手拍子が起こり、大盛り上がりだったと記憶しています。
いや、正直、高まりすぎて、あんまり覚えてないんですよ。
あの日、寒空の下で、
ぼくは、宝物に出逢った、と思いました。
ぼくがこの出逢いにどれほど目を輝かせたかといえば、
その2か月後、11月14日に開催された第2回ライブ-「ギャルゲーサウンドライブ.2Credit」に手作りのつたないコール本を携えて参加したことからお察しください。
実は、当時のぼくは東京から関西へと拠点を移すさなかでした。
この2回目のライブは関西からの遠征となり、当時、別イベントのチケ取りのために徹夜していた知人たちに交じり、秋葉原の路上に段ボールを敷いて眠ったことを覚えています。
そういう事情だったので、2004年3月20日インテックス大阪でおこなわれたキャラフェス大阪にMOSAICが出演されたときは、初の関西でのイベントということで、とても嬉しかったものです。
今回、この記事を書くにあたり、当時のチケットなどと一緒に当時のつたないコール本を発掘して、すこしだけ頭を抱えています。←
コール本を書くためだけに、ギャルゲーを買い、特典CDしか音源がなかった主題歌を聴きこんだのも今となってはいい思い出です。
そして、当時ライブをともにした仲間たちは、今でも大事な友人です。
ひとつ、特筆しておきたいのは、MOSAIC.WAVが、この2003年のインストアライブの当時から、イベントタイトルに【AKIBA-POP】というクレジットを用いていたという事実です。
その後の「We Love "AKIBA-POP"!!」でかたちになる【AKIBA-POP】というアイデンティティが、活動初期から明確に示されていたことは、いま思うと感慨深いものがあります。
その後、2007年の初台 The DOORSでの1st LIVEなどに始まるMOSAIC.WAVの活躍は、皆さんご存じのとおりです。
最後に、余談ながらぼくが一番好きなモザ曲を紹介します。
初期から代表曲であった「Magical Hacker ☆ くるくるリスク!」などにも、もちろん思い入れはありますが、
ここはあえて「片道きゃっちぼーる」を推したいと思います。
この曲はですねえ、
とにかく歌詞を聴いてほしいんです。
この曲のリズミカルでやさしいメロディは、歌詞のひとことひとことをよく聴くために作られているのではないかと思うくらいです。
この曲は、ことばと、そしてコミュニケーションの歌です。
うまくいかない、コミュニケーションの歌です。
偏見かもしれませんが、ぼくたちのようなオタクは、多かれ少なかれ、世間やふつうの人たちとのズレを感じて、それに悩みながら生きてるやん?(誰)
そんな、口に出すととてもありきたりで、だけどどうにもならない悩みを、これほど軽やかに、的確に拾いあげてくれた歌を、ぼくはほかに知りません。
全篇がよくできた詩のようであり、
これぞ声に出して読みたいMOSAIC.WAVといっていいでしょう。
「ズレた世界で今日もおはよう」
この一言に、いつもすこしだけ救われるぼくがいるのです。
長くなりましたが、ここいらで筆を置くとします。
古参と胸を張れるほど熱心なファンではなく、最近のご活躍もあまり追えていないのですが、モザはいつまでも、ぼくのホームです。
「伝説」という言葉は、過去の栄光に対して贈られるべき称号であり、
現在も活動中のかたに対して用いるのは、実のところあまり好きではありません。
そういう意味で、
MOSAIC.WAVの「伝説」はまだ始まったばかりです。
加速していく時代のなかで、お二人がどんな新しいサウンドをつむいでいくのか、
いつまでも、楽しみにしています。