栄養学を勉強してきてずっと思っていたこと。

 

「どうして栄養学はこんなに軽視されてる?」

 

「食品と薬、どちらも口に入れるものなのに、どうしてこんなに違う??」

 

「栄養学部と薬学部、なんでこんなにキャラクターが違う???」

 

正直、ほとんどの不調は食事で治ると思っていましたし、運良く大きな怪我や手術もなく、薬はほとんど飲んでいませんでした。

これも毎日バランスの良い食事を作ってくれた母親のおかげだと思っていますが…)

 

そんな薬嫌い・薬不信の私でしたが、あえて薬に関わる仕事を選びました。

 

それはなぜか。

 

①食わず嫌いだったから

栄養も薬も同じく人を健康にすることが目的。闇雲に栄養一派になるのではなく、敵(?)を知ろう!と思いました。実際、敵でも何でもなく、結局それぞれの適性というか、使い分けですね。栄養は「予防」、薬は「治療」としての面がどうしても大きいと思います。食品である以上、劇的な効果は期待できず、食品に「治療」の面を求めてしまうとどんどん怪しくて科学的根拠のない方向へ進んでしまいます。

 

ただし、栄養に「身体の調子を整える」機能があることは紛れもない事実で、「予防」としての側面を強めた結果、「治療」としての効果を発揮したという例は十分ありうると思います。

(例: 十分な栄養をとって免疫力が上がった結果、疾患が治った。皮膚の再生に必要な栄養素を十分に摂った結果、傷が早く治った。等)

 

逆に、「治療」が必要な側面以外で薬を乱用してはいけないですよね。なぜなら、薬はある疾病や病態に対して「明確な効果が出る」ように設計されて人為的に作られたもので、ベネフィット(効果)がリスク(副作用)を上回るならリスクを許容することさえもあるからです。

 

②ビジネスとして楽しそうだったから

栄養の世界は、答えがないことばかりです。何かを言い切ることがとても難しい。言い換えると、何を言っても、何をしても「自由」。「◯◯などの食品を積極的に摂ってくださいね~。」「バランス良く食べてくださいね~。」の曖昧さ…。

(※エビデンスレベルの高い研究が栄養学の分野でも続々と増えているので、言い切れることもあります。)

 

一方、薬は良くも悪くも制限だらけ。添付文書の数字が1つでも間違っていたら大問題。用法・用量を勘違いしたら人の命に直結することもあります。でも、だからこそ「正解」が明確なんですよね。制限が多い分、制限さえ乗り越えればそこには「正解」がある。仕事をするうえで、言い切れることはとても気持ちが良いです。また、ものすごい手間をかけて何十年もかけて作られる薬は、お金も人も世界も、それだけ動かすものが大きい。やはり、ビジネスの場としてやりがいがあると思います。

 

③栄養の世界に疲れたから(笑)

あとは単純に、結構大きな理由ですが、栄養のことを考えすぎて疲れてしまったからです。

 

いまや、というか何年も前から、空前絶後の健康ブーム。夜、テレビを付けたら半分のチャンネルで健康番組がやっています。ネットでも本屋でも「最強の食事法」やら「癌が治る」やら、もう氾濫という言葉も使い疲れるほど…(?)

 

しかも、栄養で何より難しいのは、「食品」というThe☆個体差と、「人間」というこれまたThe☆個体差の掛け合わせであること。これじゃあ言い切れることも少なくて当然。しかも誰かが言い切っても、間違いだと証明することも難しい。

ここで、集団を使って正しさを証明する栄養疫学の出番ですね。)

 

他にも探せばいくらでもありますが、

このような理由で薬の世界を覗いてみたわけです。

 

悲しいかな、食品と薬は違う。

 

けどもちろん、食品にしかない素敵な側面もいーーっぱい、あります!

(長くなったのでこれは別の機会に…☆)