共育講座&カラーカウンセリング 太陽と月と空 主宰
共育ファシリテーターの印南満美です。
前回、虐待について書きましたが、子どもたちを取り巻く
環境の中で、今、報道される回数が最も多い問題が
“いじめ”です
文部科学省のいじめの定義は、平成18年度以前の
①自分より弱い者に対して一方的に
②身体的・心理的攻撃を継続的に加え
③相手が深刻な苦痛を感じているもの
と言う定義から変更し、現在は
「一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を
受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」
としています。
その変更により、発表されるいじめの件数は増え、
いじめが認知された学校はそれまでの3倍以上と
なったとのこと。
いじめが起こる原因として、ひとつの考えとして、
緊張理論と統制理論があります。
○緊張理論
欲求不満や葛藤を抱えると、それを軽減させようとする心理が
芽生え、その際にとられる行動のひとつが、攻撃反応としての
いじめになります。
たとえば、親から非常に厳しいしつけを受けて育った
子どもには、充たされない欲求不満がたまり、
そのはけ口として友人をいじめたりしてしまうことがある。
○統制理論
本来持っている情動エネルギーをコントロールすることが
出来なかった場合に、問題行動があらわれること。
私たちが情動をコントロールするには、2つの方法があります。
1つは、法やルールなど社会的規範によって統制する方法、
もう1つは、両親や自分のなかの規範意識によって統制する
方法です。いじめが起きてしまうのは、この統制が弱くなって
いるからといえます。
いじめが増加する原因として、家庭や地域社会の変化、
子育て環境の悪化、学歴偏重主義、家庭の教育力の低下が
あげられます。
子どもだけではなく、近年相談件数が増加している職場いじめ、
パワーハラスメントなど、大人の“いじめ”も多いことを見れば、
子どもの社会は、正に大人の縮図に過ぎません。
まず大人が、自分自身の欲求不満やストレスを自覚し、
感情のコントロールを学び、子どもたちが学べるような
人間関係、社会を子どもたちに見せていきたいですね。