教師になれと言われて育ったゆえに

天邪鬼な私は

絶対に教師にだけはなるもんか

と誓って大学4年まできた

いろいろあって教師になって
なかなか面白い仕事だとわかることもあった。




ところが今、


教師を志して
採用試験合格に
文字どおり必死になっている人たちと
話をすると、
ときどき

「?」

と感じることがある。




子どもの笑顔が大好きなんです

子どもたちのために頑張れる仕事です

教育実習で先生ありがとうと
言われたのが嬉しくて




敢えてキミたちに問いたい




ありがとうが欲しくて
教師になろうと思ってないか?





きつい言い方かもしれないが


子どもたちのありがとうで
自分の承認欲求を満たしていないか?




教育実習の限られた期間で
子どもたちもキミに「付き合って」くれている

年も近い、いつもの担任とは違う心安さもある

実習期間中は
指導教官というキミの「保護者」も
キミを守ってくれる


なにより実習の間に
キミは子どもたちを本気で叱ったりしない
(そこは担任がするからね)

ゆえに

保護者からきつい突き上げを
食らうこともなければ

夜遅くに家庭訪問して
玄関先で罵倒されることも
経験のしようがない
(ちょっと極端な例かな💧)


目の前の子どもたちと
「うまく付き合う」こと、
そして子どもたちから

「(付き合ってくれて)
(叱らないでくれて)
ありがとう」

をもらい
実習期間を終えていく




子どもたちのありがとうは甘い菓子のよう




現実は苦くて、酸っぱくて、
冷たくて、歯が立たないようなものも
噛み砕いて味わって
飲み込むことを求められる
(ことばかりではないけど)


最後の最後に、
あるいは何年も経って初めて

ありがとうと言ってもらえることも多い



仕事が多い、休みが少ない、
朝早くから夜遅くまで拘束される
だから教師はブラックな仕事、
というけれど



本当に辛いのは、

自分が期待していたありがとうを

自分が欲しい時に
貰えはしないことかもしれないよ




ファストフードのように、自販機のように

キミの承認欲求が満たされることはない



そのことは心のどこかにおいてほしい



崇高な志に冷水をぶっかけるようだけれど
熱い思いだけでは続けていけない仕事



簡単にもらえるものを
欲しがってはいないか




もういちど自分に問うてみてほしい。