ながつき日和。-noname~01.jpg

庭で見つけた赤いみつばちが僕の口から注ぐ固い液体に身を委ね、
その薄い写真集の表紙を這うとき
あなたは左耳を大きく開いてその音を食べようとする、

その開いた耳から微かに、微かに見える若い糸の縒り端に
僕は勇気を持って力強い口づけをする。

朝は誰のものでもない。
赤いみつばちのものでも、
固い液体のものでも写真集のものでも、
左耳のものでも糸のものでも僕のものでも。

すべてはあなたの、
あなたにふくまれる勇気のにおい。