ダンスを始めてからはずっと洋楽ばかり聴いていました。
ノリのよさはもちろん、英語の響き、ファッション、パフォーマンス、全てかっこいい!

英語力がないせいか、流行りの歌は単純な言葉の繰り返しに感じ、歌詞はあまり気にせずにリズムと声だけで気持ちを高揚させていました。

病気になった今は、昔良く聞いていたjpopの曲にシフトチェンジ。

やっぱり日本の歌が弱った心に沁みわたります。
まず日本語なのがいい!(当たり前だけど)
同じ曲なのに今とあの頃とは感じ方が全然違います。

何といっても歌詞が凄い。
好き、寂しい、嫌い、悲しいといったストレートな言葉を使わなくても、違う表現で気持ちを感じられる。
一曲の中に季節や歌い手の気持ちの変化が描かれていて、まるで短編小説のよう。
解釈の仕方でいくつものストーリーが広がり奥行きを感じる。

jpop凄い!日本語は素晴らしい!

子供向けの歌も侮れませんよ。
生きる意味や、力強い応援の言葉がたくさん詰まっています。

裏技ですが、音楽をスピーカーで聞く時は耳だけではなく体中の毛穴から感じるイメージで聴いています。

意識するだけでほんと全然感じ方が違います。
ついにこの日が来てしまいました。
転移の有無と手術方針が決まる日。

前日は不安で眠れない‥と思いきや、夫が買ってきたビールとワインで酔ってぐっすり寝れました。
やはり夫は私の事を良く理解しています。

親友から「怖いよね。明日は想ってるパワーをずっと送るからね。」と心強いメールがありました。

待合室で待っている間はずっと心臓がバクバク鳴ってましたが、親友からの想ってるパワーを感じて深呼吸。
待合室はすでにたくさんの患者がいたけど、予約してたのでそれ程待たずに呼ばれました。

40代と思われる優しそうな先生はまず私たちに椅子を勧め、目をじっと見ながらこう言ってくれました。
「人間ドックから再検査、細胞診、手術が決まりましたね。肺の事も指摘されて。次々と進んでとても驚きましたよね。」
弱っていた私の涙腺が崩壊しそうになりましたが、ここで泣いたらしばらく嗚咽してしまいそうなのでぐっと我慢。

肺の方はまだ小さすぎて転移か炎症か判断出来ないので、今の時点では転移がないとして甲状腺片側摘出。
今後肺の影が大きくなって転移と確認出来たら再手術で残りの甲状腺摘出し放射線治療法に進む。
内視鏡検査で今は声帯が動いているが、もし神経に腫瘍が絡まってきたら切断する場合もある。その場合は声枯れの症状がでる。

転移の不安は残ってるものの、とりあえず手術の方針が決まって一安心しました。
先延ばしになっても、いまの精神状態で転移まで確定していたら立ち直れる自信がありません。

ダメ元で内視鏡手術の事を聞くと、違う先生なら出来るが始めたばかりなので今まで2件しかやってないとの事。
やはり傷跡の事は気になるけど、この先生を信頼出来ると感じたし、2件というのが心許ない。どちらにするかは次回の受診までに決める事で終わりました。

大学病院の先生は偉そうだという先入観がありましたが、K先生は私の話をせかさずに聞いてくれたし会話の時はずっと目を見てくれました。
大勢の患者を素早く診察しなければいけないのに、他に心配な事はありますか?と何度も聞いてくれた。
目力先生がK先生の腕は確かと言っていたので、人柄が伴った素敵な先生で本当に良かったと思いました。

医者の一言は患者をどん底に突き落としたり、逆に勇気を与える力があります。
特に生死に関わる病の時は。
全ての医者が患者の気持ちに寄り添ってくれたら、どれだけの人が救われるか分かりません。

手術は2カ月後。みなさん癌の進行を心配するのですが大丈夫ですという言葉に一安心。

夫と手を繋いで歩く帰り道、悲しすぎるクリスマスを思い出しました。
その日よりずっと這い上がれた自分がいます。

寿司とシャンパンとチーズケーキを買って2人でお疲れ様会。
乾杯!でいいのか疑問は残りますが、治療の見通しが立ったので良しとしましょう。夫も少し安心したようです。

後で思ったのですが、転移が判明して再手術より最初から全摘の方が体に負担がないのでは?
次回K先生に聞いてみます。