この話を読む前から、この物語を知っていたのだ。まるで、小説の続きのように、私もそこに含まれて関係している。ほとんど知らない。だけど知っている。ある時は出来事の詳細だけを克明に、またある時は、その表現(出来事)は全く知らず、その運命の雰囲気だけを。最初の数頁だけを無意識と意識の線上に触れながら -つまりベットの中で読んだからかな。。でもあまりにもアイロニーのようなんだ。(この言葉は大島さんが丁寧に教えてくれている。) 偶然だなんて言わせてくれない。あるいは、そう思い込まれてしまうくらいな、卓越した逸文だったのかもしれない。

なんて言うか、とても衝動的で言語化なんて到底出来ない“かたまり”が、iTunesのヴィジュアライザのようにぐるぐるとしている。これを解きたい気持ちにぴたりと重ねるように、これは細かく紐解いたらいけなさそうだと直感がささやいている。

少なくとも、この物語を既に知っていた、
と思っていることだけは紛れもない事実なんだと思う。



少しだけ、熱を冷まそう。

いずれにしても、甲村記念図書館のような拠り所がほしい。少年カフカのような真摯さをもてる拠り所がほしい。そして今すぐにでも、図書館へ行って大島さんと話をしたい。私の抱えていることはすべて大島さんは知っている、確信がある。だけど大島さんに会えないことも知っている、確信がある。だから私は拠り所を自分で獲得しなくちゃならないし、少なくとも、この週末を捧げてあと三回は読むはめになりそうだ。

といっても、まだ(上)しか読んでいません。
星野さんのような青年にも会いたいな。

読んでくれた人へ:結局私は、この物語の一読者にすぎない。私が思ったことを、遺憾に感じさせてしまったらごめんなさいな。村上春樹がとても好きだというわけでもないけど、なんだか圧巻されたよ、今回ばかりは。