その中に彼を見出そうとした。凃に彼を追い抜かしていたが、かまわず彼を追いかけた。道の端に辿り着いた時にふと気づいた。私はどこへ向かっているのだろうか。私は空白を埋めたいと思っている。来るか分からないその日を歓迎と不安と葛藤の心で切望している。始まりには必ず終わりがある。私は終わりの訪れが恐ろしいので始まりをも受け止められないのだ。それでも始まりは近づいてきている。着実に。一歩一歩。私はなるべくことに、するべきことをしなくてはならない。瞬間に輝く始まりに、それを通り過ぎることはあってはならない。