これまで、がんの治療と言ったら、放射線や化学療法剤、それから外科的処置といったものがありました。これらはどれも、体内に存在するがん細胞を、外部から攻撃したり、取り除いたりする方法でした。
しかし、今現在研究が進んでいる治療法は、少し違います。それは、自分自身の免疫細胞によって、がん細胞を攻撃させるからです。
イメージとしては、風邪のような病気と同じですね。体内に、有害な細胞が存在して、それを免疫細胞が排除します。今回、研究が進んでいる治療法は、患者のT細胞を、がんを攻撃する細胞に作り替えるというものなのです。
元々、このT細胞というのは、外部からの異物を排除するために働いてくれるもので、それをがん細胞にも反応するように、手を加えるそうなのです。具体的には、一度、患者のT細胞を体外に出して、がん細胞を異物とみなすように作り替え、もう一度体内に戻します。
実はもうすでに、臨床実験も進んでいます。アメリカの白血病の7歳の少女が、この治療法を受けており、これまでのところ、病気に打ち勝っているそうなのです。
こうした成功例が続けば、数年以内の実用化も考えており、世界のがん治療が大きく変わっていくかもしれません。何しろ、この治療法が有効になれば、化学療法や骨髄移植といった、患者への負担が大きい治療が不要になるかもしれないのです。是非とも、治療法の開拓に成功してほ しいと思います。