入院中、何度か病室に先生がいらっしゃる機会がありましたが、直前になって先生はいらっしゃらないと父から聞きました。

何も不審には思いませんでしたが、
当時、父は私に本当の事を知られたくなかったのです。


病気を知らせずにやっていきたい父と、
現在の治療方針は病名を告げると言う先生の間で何度かやり取りがあったそうで、

今この時代ネット開けばすぐに情報が入る。
特に若い私にいつまでも病状を伏せていく事は不可能だと言う先生の説得により、


退院直前の10/18、私は全てを知りました。


良性だと安心しきっていたので、本当に崖から突き落とされたような衝撃でした。


正直、癌である事よりも身体の中に卵巣が残っていなかった事の方がショックだったような気がします。


父と母が背中と膝をさすってくれましたが、急いで二人の手を払いのけました。

抑えていた動揺と涙が一気に崩壊しそうだったからです。

出来るだけ、出来るだけ冷静を保ちました。



数日経ってから父に聞きましたが
その時、余命は怖くて聞けませんでした。


それから数ヶ月は夜が怖く、睡眠薬の力をかりて寝ました。