『泣いて馬謖(ばしょく)を斬る』

―泣而斬馬謖―

<三国志>

このことばを知らない人はないだろう。もし、知らない人がいたら、「おまえ、そんなことも知らないのか！？」とバカにされても致し方ないかもしれない。

「三国志」でおなじみの諸葛孔明が第一回目の遠征を行ったとき、先発軍の司令官に、かねてから目をかけていた馬謖という若手の参謀将校を起用した。ところが馬謖は、街亭で敵の大軍に遭遇したとき、孔明の支持に従わないで、あえなく大敗を喫する。ために遠征は失敗に終わった。

孔明は馬謖の責任を問い、あえて愛する部下を斬罪に処し、「軍法を守らずして、どうして敵を破ることができようぞ」と言って泣いたという。

※将たるものの厳しい姿勢を示すエピソードである。

しかし孔明はあえて馬謖を斬りながら、後に残された遺族に対しては今までどおりの待遇を保障するという人情深い一面を持っていた。

中国古典一日一言 (PHP文庫モ 1-4) [文庫]

守屋洋 (著)
文庫: 409ページ
出版社: PHP研究所 (1987/12)
ISBN-10: 4569563805
ISBN-13: 978-4569563800
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泣いて馬謖を斬る