『朋友に処するに、務めて相下(くだ)れば則ち益を得、相上(しの)げば則ち損ず』
―処朋友、務相下則得益、相上則損―
<伝習録>
友人との付き合いに関するアドヴァイスである。「相下る」とは、謙虚な態度で付き合うこと。そういう付き合い方をすれば、プラスになるのだという。「相上ぐ」とは、相手を見下すこと。そんな付き合い方では、マイナスばかり多くなるのだという。
これに関連して 「孟子」の説く交際術も参考になるかもしれない。孟子は、弟子の問いに対して、つぎのように答えている。
「年長であるとか、身分が高いとか、身内に偉い人がいるとか、そんなことは鼻にかけないで交際することだ。要は、相手の持っている徳を友とするのである」
また、孔子が賞賛している晏嬰 (あんえい)の交際ぶりも参考になろう。晏嬰は孔子と同時代の人で、名宰相と称えられた人物だが、その交際ぶりについて孔子はこう語っている。
※ 「晏嬰の交際ぶりは見上げたものだ。どんなに相手と親しくなっても、相手に対する敬意を忘れなかった」
守屋 洋 (著)
文庫: 409ページ
出版社: PHP研究所 (1987/12)
ISBN-10: 4569563805
ISBN-13: 978-4569563800