*29日
肝臓周辺に転移していることがわかり、肝臓が腫れていた。また胸の腫瘍も肥大化し、胸水と腹水も少し溜まっていた。レスキューに無闇に切り替えるより、他に使える抗がん剤を試したほうがいいとのことで、3日後に抗がん剤を打つ予定だった。
とあの寿命がもうすぐというのは先生の表情から安易に読み取れたので、私はよろしくお願いしますと言いながらも、もう家でゆっくりさせてやろうと決意し帰宅。
*30日
体調が悪化。この日から基本的に酸素室で過ごす。最期の時が近くなると、力が弱くなるのか目をあまり閉じれない事が多かった。目をしっかり瞑って眠る子だったけれど、よく目を開けたまま寝たり白目を向いていた。それから瞳孔が常に開き気味になる。
ちゃたはさいごまでずっととあを気にして見守ってくれていた。
*12月1日
水はよく飲むが、毎日5グラムほど食べていたカリカリを食べなくなり、ちゅーるしか受け付けなくなる。ちゅーるを1本なめてくれた。夜、ヨロヨロと歩きながらもうんちとおしっこをしっかり自分でできた。夜中に酸素室から出て涼しい場所へ移動。この日からもう最期の時が近いと察した。
*2日
水はよく飲む。ちゅーるを1本なめたが、舐めるスピードが遅くなる。この日も酸素室から出て涼しい場所へ移動。30分ほどして酸素室へ戻る。
*3日
ちゅーるを1本舐める。顔つきがよく感じた。おしっこをしにトイレへ行くが、トイレマットの上でへたり込む。夜また酸素室から出て涼しい場所へ。水を飲むが目の前ですぐ横になってしまう。
生前最後に撮った動画。亡くなる7時間前
*4日
深夜2時過ぎに急に酸素室を出たがる。明らかに様子がおかしかったので覚悟を決めた。外に出ると少し口を開け、息を乱しながら床で横になる。しばらくするとまた動き出し、私の目の前で体を起こして座り、しばらく静かになる。もしかしたらこの時、最後のお別れを言ってくれていたのかもしれない。そのあとキャリーバッグの中へ移動し、ウォン、ウォン、と何度か鳴く。失禁し、5秒ほどもがいてチェーンストークス呼吸をしたあと、目を開けたまま静かに逝った。
とあが起き上がってから逝くまで、おそらく20分間ほどの出来事だった。私の中ではすごくすごく長く感じた。とあが逝くとき、「いかないで」「頑張って」とは一切思わなかった。「安心して逝きな」「がんばらんでいいよ」「大丈夫ずっと隣におるからな」と声をかけていたからか、もがいたのはほんの5秒ほどだった。最期はキャリーの中で逝ったので苦しんでいる顔は見えなかった。とあが見せないようにしてくれたのかもしれない。顔を見ていたら、おそらくずっと脳裏に焼き付いていたと思う。
レスキュープロトコールへ無理に移行しなかったこと、2日前に抗がん剤のため病院へ連れて行かなかったこと、途中で投薬をやめたこと、私は後悔していない。きっと一昨日無理に病院へ連れて行っていたら、私は一生後悔していたと思う。嫌がる投薬も無理に続けなくてよかった。
「1秒でも長くいたい」という気持ちと、「早く苦しみから解放してあげたい」という気持ちの葛藤に苛まれ続けてきたけれど、私はやはり、もう長くないと悟ったら無理な治療はやめるべきだと思った。今まで通院に付き合ってくれたお礼を伝えて、余生は家で飼い主と静かに暮らす方が幸せかと思う。
1ヶ月前までは気が狂いそうなくらい泣き喚いて、毎日精神を病みながら暮らしていたけど、数週間前からは気持ちに整理がついていたので、とあが眠った後も思ったより取り乱さなかった。とあが心の準備をする期間をくれたおかげだった。むしろ、ホッとしている。やっと楽になれたね、苦しまずにすむね、という気持ちばかりで、私自身も気が楽になった。
もう洗面所の排水溝の蓋を外して失くされなくてすむし、食事の邪魔をされなくてすむし、料理中シンクを漁られなくてすむし、テーブルの上のものを落として遊ばれなくてすむし、ベッドで場所を譲って寝違えなくてすむし、腕枕で腕が痺れなくてすむ。思えば本当にやんちゃな子だったなあ。
7月10日にリンパ腫が発覚し余命1ヶ月と告げられてから、およそ5ヶ月が経った。出会っていなければ、5ヶ月前、あるいはもっと前にはもうこの世にはいなかった。自然の摂理に逆らった5ヶ月間、私が決めた治療に付き合ってくれてありがとう。とあにとってこれがよかったのかはわからないけど、それでも私はとあに出会えてよかった。
12月29日で、とあがうちにきて1年記念日なので、ちゃたと旦那と3人でお祝いしようと思う。
とあは、当初引取予定だった友人が名付け親で、名前の由来は「永遠(とわ)」をもじって「とあ」。今思うとすごく感慨深い名前。本当に素敵。とあは永遠に私の中で生き続けるよー。たくさんの思い出をありがとう。
1歳2ヶ月、最期まで精一杯生き抜いたとあの生き様をしっかり見届けたよ。可哀想とは思わないよ、すごく立派だったよ。強いとあ君、命を張って私にいろんなことを教えてくれてありがとう。出会ってくれてありがとう。やっと眠れたね。もう痛みも苦しみもないよ。よく頑張ったね、お疲れ様。安らかに
今まで応援して見守ってくださった方々、優しい声をかけてくださった方々、本当に本当にありがとうございました。

















































































