とある街の老舗の食品店が売り上げ不振により
もうすぐ店を閉める

ここは再開発により道路拡張に引っかかり、
税金で自宅と店舗を新築してもらって数年経っていた

老舗と言っても、情報や人が今ほど多くない
昭和の時代に地元で愛された伝統の味…
と言えば聞こえは良いが、
消費者のニーズなんて気にしたこともなく、
同業者の研究なんてせずに過ごしていただけである

確かに伝統の味は大切かもしれないが、
現代で売れない味の品物を
客に対してふんぞり返って売り続けた結果、
その味を途絶えさせることは正しいのだろうか?

思い返せば、再開発が決定した際に
店主は鼻息を荒くして言っていた
「この汚い店では客が集まらなかったけど、
これからは昔のように客が戻ってくるな」…と

その結果は、見事な閉店である

まぁ、当然の結果とも言える
東京・神保町のさぶちゃんなんて
あんな汚い店舗でも行列ができる
いや、むしろ汚いから集まるのかもしれない

食品を扱うのであれば味が一番大事であり、
それを引き立てる要素として
店舗やスタッフがあるに過ぎないと私は思う

店が新しくなっても人は来ない
頑張った利益で必死に建てた訳でもなく
地元の住民の税金で建てたゴージャスな店に
客足が向く訳がない
味は、客足が遠のいた時のままなのだから

皆さんの街にもこんな店があるのでは?