最近は熊による被害の報道がよく目につきます。それに伴い、SNSでは、「メガソーラーによって熊の住処が失われた。」という書き込みもよく目につきます。しかしその科学的な因果関係は世間的には今のところはっきりしていないらしいです。SNS上では既に結論を出している人が多いです。そんな中、「専門家は、科学的ではなくても相関関係を証明してほしい」という書き込みがあったため、今回は「相関関係」と「因果関係」の違いについて整理します。
●相関関係
→2つの変数が一緒に変動する傾向があるが、因果は分からない。
(例)
・アイスクリームが多く売れる。水難事故が多発する。(実際には「夏」という共通要因が両者に影響している)
・暴力的な番組を見る。非行になる。(「暴力的な番組を見るから非行になる」のか、「非行になるから暴力的な番組を見る」、なのかが分からない)
・熊出没件数が増加。メガソーラーの設置数。(因果は証明されていない)
●因果関係
→ある変数が別の変数に直接的な影響を与えている関係。
(例)
・暑い→アイスの売り上げが上がる
・たばこを吸う→肺がんのリスクが高まる
・ヘルメットをつける→事故における死亡率が下がる
まとめると、
相関関係...「A→B」もしくは「B→A」を証明していないが、AとBが連動している。
因果関係...「A→B」もしくは「B→A」という因果がはっきりしている。
つまり冒頭で述べた、「専門家は、科学的ではなくても相関関係を証明してほしい」という書き込みは少し外れていることが分かります。相関関係は相関係数を出せばある程度証明できますが、相関関係のみで社会的な事象に取り組むことは失敗を招きやすいです。しかし、因果関係を証明することはかなり難しいそうです。専門家たちもそれを承知の上で勉学・研究に励んでいると思います。