最初に言っておくが、走るゾンビは嫌いだ。

ゾンビは一寸おまぬけに、あーとか口開けてゆっくり歩くのに限る。

ロメロ伝統の緩慢な奴以外認めんからな。

ということで『ゾンビランド』。

草臥れた時にゾンビは結構効く。最近は常時草臥れているので、ゾンビに依存しがちだ。

しかし、そもそも冒頭でやってしまった感が漂う。

「いかん。ゾンビ走っとるがな」

むーんと佇むゾンビを期待したのだが、本作のゾンビは非常に俊敏かつアグレッシヴだ。

悪いがゾンビにそれは期待していない。観るの止めちゃおうかなあとも思ったが、その俊敏なゾンビを使ったストップモーションでなかなかオモシロイことをやってるなあと思い直して取り敢えず観てみることに。

少しして解り始めるのだが、この映画実はゾンビはどうでもイイのね。

多分、ルーベン・フライシャーは、ロードムービーも、コメディーもゾンビも、撮ってみたいものが沢山あって、取り敢えず切り取った予算で全部やってみたんだと思う。

何時も思うが、こういう監督が必死でやりたいことやっている映画というのは、涙ものに嬉しくなる。

やってみたいことの全ては、一通り水準以上に出来てると思うなあ。

ビル・マーレーの件とか、面白くもなんともないけど、どうしてもコレを入れずに居られなかった、ルーベン・フライシャーのおバカ振りにシビレてしまう。

そういう監督の稚気を楽しむ映画なのですが、ロードムービーとしてもかなりイイんだよね、コレが。

ナイスですね。

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