カリオン⇒レオン (Leon) 117km

1998年9月16(水) 快晴、肌寒、弱風 9月17日(木) 快晴、無風 連泊滞在

 

 

 

 

スペイン料理に舌鼓

 途中で馬引き女性巡礼者に追いつく。先日、パムプローナの教会で巡礼パスポートをもらう時に、申請する交通手段として「徒歩」、「自転車」ともう1つ「 a caballo」とあったがこの意味がわからない。するとその聖職老嬢、日本の馬の鳴き声とはかなり異なるが、その鳴き真似と歩く格好のジェスチャーを演じてくれて、それで馬を想像していた。そして今日初めてその巡礼姿に出会う。30歳前後の痩身美女。旅荷は馬の背に載せ手綱を手にして歩いている。ロマンティックで良さそうであるが、馬の飼料の調達は? 夜はどのようなところで? と聞きたい事があるが言葉の不通を恐れて、オラ!!(コンニチワ)と挨拶だけ交わして自分は先を急ぐ。

 四囲に地平線が望める麦畑の大海原。突然、行く手に数十軒の小村があり、道路に面してレストランがある。こんなド田舎のレストランはどのような料理を出すのだろうかと疑問が湧き、1度は通り過ぎたが戻って入る。

 奥の別室に案内される。中には4、5名の先客が居る。テーブルも部屋の内装もなかなかいい。出てきたウェイトレスも、先日の仏中東部、 サン・ジュリアンのレストランでの老婦人を思い出させるような品のある、服装もシャンとした立派な女性。違う所は年が35、6歳で若い事、それにあのかつての若かりし頃を街彿させるリズ・テーラー似の美女である事だ。真っ黒の太くて大きい眉毛とやはり美しい黒髪、彫りの深い目元、黒い瞳、なかなか優美で涼やかである。

 出されるメニューは西語ばかりで読めない。例によって隣のテーブルと同じ物をと西英辞書を使いつつ伝える。本来、他人様が頂いている料理を指差す事自体、無礼のきわみであろうが重々承知の上でこの動作を採らねばならぬ。これが辛い。

 最初に出てきたものは隣のテーブルと同じく、小エビと貝類をケチャップ、バター、ソースで炒めた焼き飯風の大盛り。ヨーロッパでの米料理にはシンがつきもの、それを怖れつつ口にすると実に美味く、シンもない。その上感心するのは色彩豊かという事、実にカラフル。食べ残しを心配していたがその大盛りを綺麗に頂く。エビも殻ごと全部食す。東洋人は殻まで食べるのかと不審がられたかも知れぬ。

 次に出てきたのは小魚の料理、小アジの干物を味付けして焼いたもの。バターが添えられている。これまた美味で3本目のビールを誘われる。添え物のパンも実に美味い。お腹はポンポン、こんなに美味い昼飯は久しぶりだ、そうだ、折鶴を置いて出ようと準備していると、またもや後ろからお皿が出てくる。それにはステーキが2枚と好物のポテトフリッツの山盛り。これは相当高い昼飯代になったぞと少し心配しつつ美味しく頂く。ポストイット(糊付小片紙)に「日本から来ました、実に美味かった、ありがとう」と辞書を見て西語で書いて鶴に付けようとしていると、今度はアイスの大型。カンカン照りのせいか実に美味い。最後は例のイタリア風少量濃厚コーヒー(エスプレッソ)。

 〆て1100P(約1100円)。このあと、スペイン料理をすっかり見直す事になる。果物だけが仏、西の食べ物ではない。特に、田舎に限ってのことであるかも知れぬが。食べ物となるとつい力が入る。イヤシくて失礼。なお、前述の焼き飯風料理、あちこちで何度か食したが名前が判らぬ。残念に思っていたら、99年9月21日付読売新聞朝刊に「スペインの味、パエジャ」と題して料理方法を含めカラー写真付きで詳しく紹介されている。実に懐かしい。

 

 

カリオン (Carrin de Los Condes) のレフジオ

定年欧州自転車旅行 1998.09.16(水) 07:45 晴、寒

 

 

レオン (Leon) 手前25kmの小村 ランチにごちそう食す

定年欧州自転車旅行 1998.09.16(水) 13:40 晴

 

 

レオン (Leon) 手前25kmのうまかった食堂 たった1100P

定年欧州自転車旅行 1998.09.16(水) 14:30 晴

 

 

レオン (Leon) のYH食堂にて 管理人と

定年欧州自転車旅行 1998.09.17(木) 21:30 晴

 

 

レオン (Leon) のYH前

定年欧州自転車旅行 1998.09.18(金) 08:45 晴

 

 

 

 

クレデンシアル (Credencial) で頂いた「巡礼パスポート」