ついでに、産まれて初めて、母親の鼻毛と産毛もカットしました(笑)
お母さんを施設に預けて約1か月が経った。
このご時世なかなかない、自由度が高い施設。
看護師さんが24時間いる住宅型老人ホームといったら良いだろうか。
介護付の老人ホームではなく、住宅型だから、サ高住や高齢者の集合住宅といった扱いに近い、
在宅に近い制度が使える施設だ。
といっても、見た目は高齢者施設に見えるんだけれども。
母が入居する施設を選ぶにあたって絶対に譲れない条件が3つあった。
1.看護体制が24時間整っていること。
(医療依存度が高くて、いつまた吸引が必要になるか分からないしね。不顕性誤嚥もあったし。)
2.リハビリが受けられること。
(病院の療養型病棟や緩和ケア病棟は、リハビリが受けられないことが多い。)
3.コロナ渦でも、面会ができること。
(母子一体過ぎて、私にに会えなくなったら、おそらく寂しすぎて、生きる目的無くしてすぐ死んじゃうだろう。)
施設入居を考えて、3年間くらい、何十件も施設見学をしてきた。いろんな体制の。
でも、この3項目を満たしてる施設がなかなかなくて。
医療依存度が高いと、どうしても病院という選択肢になる。
コロナが流行っていなければ、リハビリをやってくれる病院の療養型病棟とかでよかったのだと思う。
でも、市内の病院はどこも一切面会禁止。
本人が弱って、臨死期にようやく会えるかどうかだという。
ありえんやろ。そんなん無理に決まってる。
そうなると、考えられるのは、サービス付高齢者住宅のような、自宅にいるときと限りなく近い制度が使える施設。
そういった施設で、日中に看護師がいて、夜間はオンコール(呼ばれたら来る)という施設が有力候補に挙がった。
でも、そうなると、点滴をやるのはもちろん日中(母は夜に点滴をして、日中は解放され動きやすいようになっていた)。
まあ、点滴の時間は日中でも良いとして、夜間オンコールで間に合うのか、医療依存度が高く体調変化しやすい本人の様子に、少ない日中の看護師だけで対応できるのかというと、とても心もとない。
ということで、24時間看護師がいる施設を選ぶことになったが、市内で1箇所しかなかった。
看護師が24時間いるというのは、施設内に訪問看護ステーションと介護ステーションを設け、そこから各居室(各住宅)に訪問してケアするという考え方になる。
利用者から家賃、サービス管理料に加え、医療保険と介護保険がダブルに使えるため、金銭的にかなり潤っている。
お金になる施設はあっという間に広がり、ここ1年でまた新しい施設が近くにできた。
都会には多いらしいが、田舎はまだまだ数少ない。
お母さんが入居したのは、1年前に市内に初めてできた看護師が24時間いる、そういった施設。
できたばかりの頃は、形態として異色なため、地域のみんなは様子見。
サービス体制も定まっていない印象だったが、1年経ってくるとだいたい形になり落ち着いてきた。
常に満床状態となった。
この施設はかなり自由度が高く、
今まで在宅でお母さんをみてくれていた在宅医、ケアマネ、訪問歯科、マッサージは引き続き入ることができた。
もちろん、施設に看護師とヘルパーはいるので、それらは入れなかった。
お母さん、泣く泣くお別れ。
病気になってすぐから、お母さんが料理を作る支援をする、なんてそんな昔から介入してくれたヘルパーさんは、母をもうみれなくなると泣いていた。
本当は離したくなかったけど、しょうがないよね、ごめんね。
今でも、いつものヘルパーさんに会えないのは悲しい、寂しい。
看護師さんは、お母さんに引き続き、おじいちゃんの支援に入ってもらうことになったから、離れないで済んだんだけど。
リハビリは、家にいる頃は、がん末期で医療保険制度を使い、訪問看護の理学療法士が入っていた。
ただ、ここが問題。患者1人当たり、訪問看護療養費は1事業所しか取れず、入居施設で取ることになるため、訪問看護のリハビリは介入できなくなった。
それが分かったのが、入居直前。
急いで、介護保険による訪問リハビリをやっている病院を探すために、市内の全病院のリハビリ室に電話した。
体の拘縮予防ではなく、大きな回復が認められないのであれば、リハビリが3か月等、早期に打ち切られてしまう病院がほとんど。
心が折れかけていた中で、ようやく見つけた長く面倒見てもらえる病院。
そして、ありがたいことに、本来通院し、リハビリ担当医師にリハビリの必要性を証明してもらわなければならないところ、訪問の主治医の意見をもとに、担当リハビリ医師が指示書を書いてくれるため、無理して通院しなくても良いという。
しかも、たまたま、その病院が、自宅で母を見ていた理学療法士さんが務めていた病院で、連携も取りやすい。
ということで、介護保険を利用し、週3回40分、施設でリハビリを入れれることになった。
しかも、みなさんとても優しく、話せない母に話しかけてくれる。ありがたし。
結局、それまで見てくれてた理学療法士さんがいないと本人の不安感が強いってことで、毎週自費で追加することになっちゃったけど。自費くそ高い、月4万円くらいする。月4回のリハビリなのに。
でも、自宅にいるときは、母のための時間が、毎日3時間くらい設けられてたのに、施設に入居したら、オムツ交換は2名体制で一瞬で終わるし、連続して口腔ケアは入らないし、要はケアが細切れになってしまうため、母のためだけの時間というのがぐっと減った。もちろん、話しかけの回数も減った。
そんな中で、40分、1時間のリハビリの時間はとても貴重。
お金高いけど、母の安心のためにしばらくは入れてあげるつもり。
これくらいしかできることがない。
入居前から、母は施設に慣れるのに時間がかかって、一人にされたら寂しくて吐いてしまう(実際、ショートステイに預けてた時代に2日しか預けないのに寂しくてよく吐いてた)から、施設に入居したら、母が慣れるまで毎日でも面会させて欲しいとのことで許可を得ていたため、会えている。とても助かる。コロナ渦でそんなことは稀だろう、感謝。
そして、母は環境変化に弱いため、お家でのケアと同じ方法でケアをしてもらうために、私が手順書を作成。
もしかしたら、こんな手順書を家族が見せたら、嫌がる施設もたくさんあるかもしれない。
だけど、この施設は助かる、分かりやすいといって快く受け入れ、参考にしてくださるのが本当にありがたい。
特に、ポート感染は病院で2回も起こしており、原因は不明であったため、母が感染しやすいのか、看護師が誤ったのか、自宅と違うやり方や薬剤、医療材料によるものなのか、、、分からない。
だから、極力自宅と同じやり方にしてもらえたら少しは安心できるため、手順書通りにやってもらえるというのは本当にありがたかった。
オムツ交換、口腔ケア、巻き爪や嵌入爪の処置、過去に褥瘡ができていた頭部の清潔管理、脇のカンジタ、そういった処置は特に問題なく行われており、安心していた。
むしろ、自宅にいる時よりも綺麗にケアできている部分もあって助かった。
持参した血圧計を使ってくれており、その血圧計が電波で遠隔にいる家族に測定値を送ってくれるため、ますます安心もできた。
一番心配なポート感染だけが心配で、週に2回、針を挿入する日に私も施設に行き、やり方を看護師にお伝えしていた。
だが、1月に入ってから問題が発生。
1月から異動で入ってきた職員が、ポートの針が刺さらない。3回刺しても失敗。母は不安な面持ちでその看護師の顔を覚え、眉間にしわを寄せ、看護師を睨んでいる…。
その看護師は、ポート挿入の経験も何度とあるのに刺さらなかったと言って落ち込む。
母は過去にポート感染したことがあるため、本来埋めたい鎖骨下より若干脇側にポートが挿入されており、肉付きもいいため、ポートが埋もれ、とても分かりにくい。
その看護師が不器用なのかとため息が出る気持ちだったが、毎回、何度も手順書を見返したと言って、果敢にチャレンジする様子に仕方がないか、頑張ってほしいと思っていた。
今週に入り、勤務歴としてポートに針を刺した経験が一番あるであろう別看護師が、針が刺さらない職員に手本を見せるため、母にポート針を刺した。
でも、2回やっても刺さらない。
そんなことありえるのか・・・。
刺さらないものを無理に入れ続けられているような感覚がして「入らなかったらすぐに針を抜いてください」と、毎回お伝えした。
結局、ご家族が刺してくれということで、私が刺した。
後日、その看護師が「刺さるものを途中で(私が声を掛けたことによって)制止された」と言い、問題になってしまった。
いや、あれは刺さっていなかったよという気持ちが沸き、不信感を抱く私。
でも、いやいや、待てよ。
私は看護師ではない!
私より医療の知識と経験があるだろうよ、看護師というものは。
ここで、対抗するのはおかしい。
そもそも、私がそんな医療現場にいるから、私が看護師に指導するから余計な不安が生まれ、簡単に問題にも発展する。
在宅医の看護師と施設の看護師に正直に相談した。
施設の看護師は職務経歴がみんなバラバラで、針の刺し方も統一していなかった。
ポート針をまっすぐ刺すということについて、針の先端が曲がっているのだが、その曲がった先端に対してまっすぐ2段階で刺すなんて話も出てきて、何が正しいのかという話も出たりして、ますますややこしくなった。
結局、在宅の看護師が施設の看護師に研修といった形でポート針の刺し方を指導するということになった。
その時に、共通認識するために、私も同席させてもらえることになった。みんなでやり方を共有。
そして、私は看護師がポート針を刺す時に同席しないことにすると施設側にお伝えした。
もうたくさんやり方は伝えてきたし、細かいところは手順書にも書いてある。
テープの留め方が違う程度なら、後からお伝えすればいい。
被膜保護剤を吹き忘れて皮膚が赤くなるなら、一時、薬を塗って治るのを待って、次から気をつければいい。
本当は嫌だけど、その程度なら、治せる。まだ許せる。
だけど、ポート感染だけは、絶対させてはならない。
ポート感染したら、栄養が入らなくなってしまう。
また手術をするなんてことは考えたくない。
一番大事なところはそこ。
小さいことは気になるし、本当に心配だけど、死ななければまだいい。
そして、施設の看護師が、私に何か言われるのを恐れて、母に針を刺すことが恐くなる、できなくなる、何か小さなことで気になることができても、私との関係性が悪く言いにくくなってしまう、結果、私が施設に行きにくくなる、母に会いにくくなる、そんな流れができてしまうことの方が問題。
だから、小さなことは目をつむる。
だって、もう私がケアしているわけじゃないのだから、すべてが思い通りにいくわけじゃないのよ。
何が一番大事なのか、私がどう行動したら動きやすくなるのか、母をよく見てもらえるのか、それを考えて動く。先を考えて。
だから、いま、とてもふあんなのだけど、
いま、わたしにできることは
「いのること しんじること」
ね、神様、いるならちゃんとお母さんを見守って。
もう医療トラブルにだけは巻き込まないでと必死に祈る。
うまくいくことだけをイメージして。
