「お昼の準備が出来ました。」
慌てて浴衣を整え、旅館の仲居さんを招き入れお昼の準備に取り掛かってもらった。彼女はそそくさと窓に近づき外の風景を眺めながら外したブラジャーをそっと隠していた。
「ごゆっくりどうぞ。」
並べられた昼食を挟んで座った僕たちは、目を合わせてクスッと笑いあった。
「もう、だからお昼きちゃいますよって言ったのに…竜馬さんたら」
「…さ、さあ、遼子さん、お昼いただきましょう!すごい!美味しそうですよ!」
「はい!竜馬さん、浴衣…はだけてますよ。」
急いで整えたはずの浴衣はよく見ると随分とはだけて下着が見えていた。僕が恥ずかしそうに直しているのを見て彼女は大きく笑った。
食事は郷土料理や山菜のほか刺身の盛り合わせなどもあり、休憩についている昼食にしては豪華だった。全部食べきれるだろうかと思えるほどボリュームがあり一品一品、お洒落な器に盛られていた。
「美味しい!すごいですね。全部食べられるかな?」
「遼子さんならペロリじゃないですか?」
「もう!でも、これくらいなら食べられちゃいます!」
ふたりで会社の休憩室でとる昼食とは違い、他に休憩している客もいなかったことから気にすることなく大声で笑ったり話したり出来た。食事の美味しさも手伝って、いつも以上に楽しい時間が過ごせた。
ふたりとも満腹になり、食後のお茶を飲みながら他愛もない会話を楽しんだ。最近、有休も取っていなかったからか仕事のことはすっかりと忘れ彼女との時間を満喫していた。今までなら平日に有休を取っても仕事のことが気になり休んだ気にならなかったが温泉にも入れて、美味しい食事も取れ、何と言っても彼女と一緒に過ごせていることに充実した気分に浸っていた。
「竜馬さん…あの…さっきの続き…」
「…僕もそう思ってました。休憩用のお布団あるからひきましょうか。」
僕と彼女はお互い浴衣を脱いで布団に横たわり、そしてお互いを愛撫し合いながら繋がった。彼女は大きな声を出すまいと指を噛んでいた。
「遼子さん…愛してる」
「…嬉しい。私も愛してます。竜馬さん」
つづく