チャランゴを何故か10年以上弾いている。すると時々、若いチャランゴ弾きから「どういう練習をすればいいですか?」という質問をされるのだが、自分は必ず「最大音量でやれ」と答えてきた。
だがよく考えると、これはあまり適切な考え方ではなかった。正確には「クリティカルな音を意識して弾け」が言いたかったことに近い。

じゃあ「クリティカルな音ってなんだよ」という話になるが、これは「爪を弦に正確に叩きつけた時にだけ鳴る音」になる。要はクリティカルな音は、正しい弾き方をした時に鳴るのだ。

「爪を弦に正確に叩きつける」には、
①弦と弦の中点を狙う(だいたいネックとボディの境目を狙う。ちなみにホールの真上で弾く人が多いが、それだと中点よりちょっと下で弾くことになってしまう。私はあまり勧めない)
②弾き残しが無いよう、全ての弦を爪(私の場合、基本は人差し指・中指・薬指の3本、稀に小指も入れるがマストとは思わない)で鳴らす
③手首を振り下ろした時、最大速度が出たタイミングで爪が弦に当たるようにする
④指先が弦の張力に負けない程度に力を入れる。ただし力を入れすぎると手を痛めるのであくまで力は適度なものでなければならない。
という点が重要になる。

ところで、このクリティカルな音は、弱い力で鳴らすのが難しい。弱い力で弦を鳴らそうとすると、指の速度がゆっくりになり、クリティカルな音に重要な要素である速度が足りなくなるからである。だからクリティカルな音の練習をする時は、最初は強い力でやった方がいい。

そのため、「最大音量でやれ」という最初の助言は、結果論的には必ずしも間違いではない。大切なのは何故最大音量でなくてはならないかと考える過程で、それは「(正しい弾き方をすることで)クリティカルな音を出すのが重要」という前提のもと、「音量が大きい方がクリティカルな音をやりやすい」からである。