ここに写るどこかに住んでいますよー
現在、私と息子は賃貸のアパートに住んでいます。日本式に言うとマンションですが、英語圏ではどんなに豪華でもアパートメントです。
この部屋を借りるという作業が、オーストラリアでは大仕事になります。特にシドニーは、買うより難しいと言われる、最激戦地区。事前知識がないと、ほどほどの家賃で借りることはまず無理です。
オーストラリアではいま、「ハウジング クライシス」の報道がテレビに流れない日はありません。移民の増加に住宅建設が全然追いついていないんですよ。さらにここ数年の住宅バブルで、シドニーなど小さな古い家が軒並み2億円超え。さらに金利が上がったぶん、家賃も急上昇しています。
そういう状況はわかっていたので、ひたすら戦略を練って住居探しに臨みました。
オーストラリアで部屋を探す場合は、まず検索サイトにアクセスします。
昨今だとDomain(ドメイン)が圧倒的シェアを誇っています。
ここのトップページで希望地域、ベッドルーム数、風呂場の数、駐車場の数、希望引越し時期、予算等を入力して物件を絞り込みます。
欧米では家の広さを㎡で表すことはあまりありません。ベッドルームの数が尺度になります。あとはひたすら掲載写真を見るんです。
物件が絞り込めたら、それぞれの物件を扱う不動産屋の担当者に連絡して、インスペクションという内覧の予約をします。
これがね、シドニーの場合は大変。希望者が多いから、インスペクションはたいてい土日に時間指定されていて、そこに大勢が押しかけます。
週末に宿をとって飛行機で飛んで、レンタカーで何件まわれるか。Googleマップで場所を確認して、分刻みのスケジュールを立てます。
インスペクションには絶対に行かないと、広告に書いてあるのはいいことばかりです。
例えばシドニーではすごく多い、低層のアパート。こういうのはエスカレーターないですからね。さらに、周囲の環境も問題。露天の駐車場だと車を盗まれるし、保険も割高になります。
Domainに載っていた某アパート。レンガが赤くて、写真加工で盛りすぎだよ。
だからできれば早めに着いて、周囲もチェックします。
裏側に回ると、例えばこんなだったりします。
日本と違って、築何十年というのが普通だから、設備も古いのよ。
私と息子の場合は、条件がはっきりしていました。とにかくスペースが広いこと。ケアンズの家は、たぶん室内だけで350m2以上あったから、荷物がすごいのよ。車通勤で職場に近いこともマストでした。
で見つけたのが、2ベッドルーム、2バスルーム、駐車場2台、さらにストレージ(物置)付きの120m2以上あると思えるペット可の部屋。快速の停まる駅から徒歩5分。
こんな好条件のアパートが、週700ドル(約64000円)です。
安い、絶対に何かある。事故物件か?
この家賃で、この条件は、シドニーでは上々です。もっと郊外で、それこそカツカツに生活している人たちだって、家賃が週600ドルくらいは常識。凄まじいでしょ。
そして訪ねたその部屋は、事故ではないけど、やっぱり問題物件でした。
まず居間の2方向の壁が床から天井まではめ殺しのガラス。1階なので、ブラインドを開けると道ゆく人から丸見えです。そしてベランダはあるけど、ビルの陰で日が当たらず、暗くて正面は隣のビルの壁。
プライバシーを重視し、週末はベランダで BBQに興じるオージーが、絶対に絶対に住もうと思わない物件です。
一方でベッドルームは昼間から暗いし、設計段階から、おかしいだろここ。
でもね、そこはチャイニーズが多い一帯。需要はあります。なんてったって、需要に対して部屋そのものが足りないんだから。
というわけで、その場で賃貸の交渉に入りました。
1日考えるなんて余裕はありません。オーストラリアで物件を借りる場合は、大家が圧倒的優位に立っています。
ちゃんとした仕事で、家賃の取りっぱぐれはないよ。日本人は部屋を綺麗に使うよ。とアピールした上で、入居時期は速攻翌日からにします。大家にしてみれば、1週間でも空き家にして無収入にはなりたくないので、これは大きなポイントになります。
猫がいることは、じゃっかん渋っていたみたいだけれど、速攻入居はかなり効いたようです。その場でデポジットを入金して決まり〜。
あ、仕事とか収入を証明する書類は事前に準備しましょう。
というわけで、我々は現在、そのブラインドが全開できない部屋で暮らしています。
まあ、ひどい部屋ですが、シティのど真ん中まで電車で数駅だし、どこに行くのも近くて便利。何より荷物が全て収納できています。
引越し前提なので、開けてない段ボール箱がいたるところに。
ただね、長居するつもりはありません。
息子の同僚は、週650ドルで借りていた部屋が、1000ドルに値上げになったそうです。
嫌なら出て行けというのがオーストラリア式。
多くの若者は部屋のシェアが普通で、2LDKに3人とか(一人は居間の片隅)もザラ。知人が目撃したケースでは、ベランダを借りてテント生活をする若者がいたとか。
オーストラリアで賃貸は悲惨です。節約して頭金を貯め、持ち家生活に移らないと、生涯家賃に追われます。
今回賃貸にしたのは、引越しの時期が住宅バブルの頂点だったから。
案の定、数パーセントは価格が下がったみたいです。
私は来月から購入物件探しを始めます。
息子と離れて、ゴールドコーストに戻ることを考えています。




