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ことのは紡ぎ

あかつきのしるしをさがしてあくがりたるもののにきなり

風を表す日本語は2000以上あるということだ。
なるほど風は暮らしの中で切っても切れない現象だ。

和歌にも歌われていた。
六歌仙のひとり、文屋康秀の有名な一首

吹くからに 秋の草木(くさき)の しをるれば 
    むべ山風を 嵐といふらむ

がそれだ。
漢字の成り立ちをうまく言い表した秀逸な言葉遊びだ。

こんな暑い日々、無風状態では人は暮らせないだろう。
外にいれば日陰に入ったときの一陣の風ほど、人を癒す自然現象はない。
屋内でも、人工的に風を起こす扇風機やエアコンなしでは日々を送れない。

風のつく漢字で様を表すものもある。

たとえば『颯爽』だ。

姿・人物を現す場合は

きりっと ・ りりしい ・ カッコいい ・ ほれぼれする ・ 見ばえのする ・ 男らしい ・ 威風堂々 ・ (ありし日の)勇姿 ・ 風姿 ・ (~界の)貴公子 ・ 風雲児


という場合に使われる言葉だ。

ここから取られたであろう名の人を知っている。

たしかに彼はある瞬間とても男らしい行動を取って、ほれぼれさせられることがある。
そうでないときも、その人のたたずまいはやわらかい風のよう。
私はその風を感じつつ、暑く辛い夏を乗り切りたいと思う。