はじまりは、スーツケース1つ
1年半前。
母と息子、ふたりきり。
手にしていたのは、スーツケースが1つだけ。
家具も家電も、車も布団も、お箸すらもなかった。
そんな状態でまず住み始めた、1LDKのアパート。
スタートは「不安」しかなかった――。
節約生活の中でも、あきらめなかった
毎日、電卓とにらめっこしながら家計簿をつけた。
冬の食器洗いはお湯を使わず水でガマン。
エアコンはつけず、冬は着込んで過ごし、
洋服は息子が優先、私は毎日おんなじ服。
美容室にも行けないから、ロングヘアをアレンジして乗り切った。
100円ショップのピンやゴムで、ちょっとした“おしゃれ”を楽しんだりもしてたっけ（笑）
少しずつ、でも確実に前へ
あの頃に比べれば、今はずいぶん進んだ。
たまに外食に行けるようになって、
焼肉だって食べられる。
ちょっとした旅行にも行けるようになった。
まだまだ「豊か」とは言えないけど、
“我慢ばかり”の毎日ではなくなった。
「あのときの暮らし」があったから
今もリビングで仕事をして、
食卓でご飯を食べて、
同じ部屋で眠る毎日だけど、
「この暮らしがあったから、今がある」って、
最近、ようやくそう思えるようになった。
そして、これからも。
夢はまだ途中。
このままじゃ終わらない。
この生活から、もっと先へ。
1年半、リビングにこのマットを敷いて眠る私（笑）。
1LDKだと自分のベッドも置けないから、
いつか自分のベッドでぐっすり眠りたい、
必ずその日がやってくると信じている。
未来のマイホーム、
そして「成功したBBA」として、いつか語ってみせる。
「昔、1LDKのアパートに息子とふたりで住んでてね…」って。