寄り添うということ 耳が聴こえなくなった方へ、緩和ケアは何ができるか|西智弘(Tomohiro Nishi)|note 緩和ケアのキモは、コミュニケーションである。 もちろん、苦痛を緩和するためのモルヒネとか、落ち着いて過ごせるための環境とか、支えてくれる家族・友人の存在とか、そういうものも大事ではある。 ただ、その全てにおいて「私はどのように苦しいのか」を伝えられる、そしてその言葉を受けて「あなたの苦しさをこのようにしていきましょう」と答えられる、そのコミュニケーションこそが基盤となるのだ。 しかし、がんという病においては往々にしてそのコミュニケーションの手段が奪われることがある。 手術やがんの進行で声帯に障害が及べば、声を出せなくなる。脳や神経が障害されることで目や耳が使えなくなる。そ note.com 父を見送ってからもうすぐ3年になる。最後は緩和ケアの病院にお世話になった。これまでのいわゆる「病院」というものに対する自分の持っていたネガティブな概念が払拭されて「寄り添う」という事もここまで医療として確立されているのだ、とおどろき、そして本当にありがたかった。傷つけ合うのも にんげん ならばそれを 補い合ってまた 進化へと 結びつけ生み出すことができるのもまた にんげんなんだなぁ、と。