熱のせいで 丸一日  おきあがれなかった。



カーテンもあけることもできずに。
この家にきてから ここまでひどいのは お初。


全く お手洗いに 立つこともできず。




行きたいのに
怠さとねむけにまける。



さらに
あたま がんがん。


キツい…



いつのまにか また 眠りに…



この繰り返しで



きがついたら  もう  よる。







枕元で でんわがなる。

ダンナからだ。



『なんか買ってこうか?なんか食いたいもんある??』



染み入る有難さ。(;o;)



しかし、冷蔵庫の中身を思い出したら
こういうとき 
私が口にしやすい&欲する であろう
たいていのものはあった。


でも せっかくの 機会だ、 と 
ここぞとばかり 
さらに 回らなくなってるあたまを 
瞬間的に フル回転させていた。



「あ、…抹茶プリン…え…っと… ん〜っ……どこにあったっけ…あぁ、そう、◯ァミマのやつ」




『えっ?!………んーっ… …わかった。』

ブツッ。


電話切れる。(笑)



ダンナは 
いつもじぶんが行き慣れているお店じゃないことに 違和感を感じて
それだけで いっぱいになってしまった模様だ。
(笑)




わたしも それを 知ってて 

知りつつも

なおかつ  

あえて
じぶんの意思を 通そうと

わたしの 希望のお店を 頑として 告げてみた。





案の定の 反応…。ごめんね。







しばらくして




帰ってきた ダンナ

『プリン買ってきたけど…どうする…?』

  《わぁい♡》←以下 わたしのこころの声(笑)



真っ暗闇の中 
ベッドにいるらしい気配のわたしを
きづかって声をかけてくれた。




「ん…なんとか 行くわ…」

《って、行けるのか…わたし^^;》


実に 丸一日ぶりに 身体をおこそうとした。




寒い。
トイレ行きたい。
力入らず 身の置き所がうまくつかめない。



15分ほど足掻いて
ようやっとなんとか 
上記三つの懸案をクリアして
やっとの思いで階下のリビングに向かう。

階段が修行のように思える。




いろいろ 
埃だらけの階段やら
溜まったままの洗濯物やら
それに 
ひどいじぶんの格好やら

歩くはじから きになることだらけで



それよりも 
《じぶんはどうしたいんだ?!》


必死でじぶんに たずねる。



《身体がつらい……よこになりたい…》



リビングまで あちこちつかまりながら
ようやっとたどりつき
椅子二つ使って 横になる。


通り道に冷蔵庫があるので
開けて
希望どおりのプリン🍮と 
もうひとつ なにやら 更にゴージャスな抹茶プリン!が 入っているのをみつけ

「ありがとう」と つぶやきながら。





ダンナが  すぐさま
『プリン食べる?』と きいてくれる。




そりゃそうだよね。


そりゃそうなんだけど

もう、分刻み変化の 
じぶんでも じぶんのことがわからないわたし。
(苦笑)


それでも じぶんにきく。

やっとしぼりだしたことばは



「寒い」
「あったかいものがいい」


ここで  なんと
まってました、とばかりのダンナさま!

『これ 美味しそうだったから買ってきてみたんだけど…』

と  レンジで温めるタイプの
とっても身体にやさしそうな食材をつかった
今流行りの具だくさんなスープ。
私の日頃の言動をちゃんと覚えててくれてた、って、すごくうれしくなった。

《うわぁ、ここまで わたしのこと歩み寄って考えてくれたのって 結婚して以来はじめてぐらい?!びっくり!!うれしい!!!》

っておもったのもつかの間

わたしの身体は 
固形物を噛み砕くことを想像しただけで
ツラい…と 言っていたので


「おいしそうだね。でも いまちょっとまだ身体的にむずかしそうだから…あぁ、あそこにあるアレがいい…」

と、指差しながら おきあがりながら
非常時の為に買ってあった 
フリーズドライの柚子風味のにゅうめんを手にして
まずはそれをいただくことに。

じぶんでやろうとしたけど
手に力が入らなくて
それも頼る。



にゅうめんをすすりだす。
あたたかさが 身体に 染み込む。

美味しい。有難い。

もう 身体が 上向きに反応しだす。


ダンナが
『もう、これも食べちゃわないと 傷んじゃうよね』
といいながら 
パイナップルとスイカのカット盛り合わせの残りを持ってくる。

「ちょうどさっぱりしたものも 欲しかったから
たべられるかも…」

といいながら フルーツに目を向ける。


身体が まだ、「それは ツラい」と言っている。



「フルーツのパワーって強いんだね…」

と、思わず 胡散くさいことを口にしてしまい
あっ、と思うが



ダンナは 意外にも

『うん』と 相槌を打ってくれた。




テーブルの端に 
日曜に実家からもらってきて  残りわずかな
ばぁばの炊いた 超柔らかめの栗おこわが目に入る。
糖尿を抱え入退院を繰り返しているじいじの為に作ってるので
味も食感も とにかくとことん 優しく柔らかい。
栗は もちろん 実家の裏で拾って 冷凍にしてあったもの。


身体が 《たべたい》と言ったので
赴くまま 従った。


「美味しい…。」


思わず 箸がすすむ。



一口ごとに  ばぁばが浮かぶ。



亡き母と ばぁばは 同世代なので
なんとなく 近いものがあって
その安心感は 私にとって 絶大なものがある。


どんどん 氣が巡り出す…。

有難い。




ごはん茶碗一膳にも満たない
ばぁばの栗おこわで 
あっという間に
身体を起こして
楽に座っていられるようになって


ダンナの顔も ゆるんできて


そして
なんとフルーツに手を出す氣力まで出てきた。




思い切って口にした スイカは
とても 優しく 美味しかった。



スイカの力で 

いちばん ハードルの高かった 
パイナップルまで 食べる氣がおきてきた。


この短時間の 上向き加減の凄さに
自分でも びっくり。


そして 食べられた!


美味しい!!




お腹もびっくりせず
受け入れたまま。







そして

もう じぶんで 動く元氣まで でてきたので

マヤナッツコーヒーを淹れる。

と、いっても
いつものポットに 大匙やや山盛り加減で一杯入れて
沸かしたてのお湯を入れるだけなのだけど。




これまた 美味い。☕️
沁み渡る。



ダンナも 普通に飲んでいる。





引越しの最中に 
マヤナッツコーヒーに出会い
(存在はずっと前から知っていたのだけど、なぜか買うには至らなくて、やっとここでご縁をいただけた)
なんのきなしに、ポットに淹れたものを作業場(旧宅)に 持っていったら

ダンナが なんと喜んで飲んでくれて。



以来我が家では
もう 普通に 食卓にあるものになっているこの存在。





巡り 巡る

ご縁の 不思議さ ありがたさ…。





人の手の 直にかかったものほど
ありがたくて
身体に優しくて 力強いんだなぁ…って





また
しみじみ  
ありがたく 感じることができた。





発熱にも 感謝だ。
ってか
ホントに この身体って 計り知れないものだなぁ…と。



わたしみたいな あばれ馬(苦笑)
ちゃんと暴走しはじめても
こうやって いつも がけっぷちでストップしてくれるんたもの…。



何から何まで

本当に 感謝しかないのですね。



ありがとう。