しみじみとする間もなく、私の日常は脱兎の如く過ぎ去ってゆくのである。このブログの更新頻度がその証。目まぐるしく変化していく日常は、果たして現実感に欠ける日常であり、そのリアリティの感じられなさからして謂わばこの感度の鈍い日常は包茎的日常である。日常、日常。



 先日大学の卒業式があった。4年間極めて気まぐれ的に勉学に臨むべくして赴いた学び舎を巣立つ時が来たのである。

 卒業式前日、私は学科で一番仲の良い友人と待ち合わせの約束を交わし(その友人は既に他の学科のメンバーたちと約束を交わしていたためそこに便乗する形であった。私にはその連絡は来ていなかった)、当日には10分ほど遅れて到着した。その道中に思い出したのだが、私は4年前の入学式の時も10分ほど待ち合わせに遅刻したのである。ほぼ初対面の人々相手に。

 この浮き世は、人の生は諸行無常だと言われている。まったくもってその通りである。しかし本質的なというか、人の心の核にある部分というものはえてしてあまり変化がないように思われるのである。人生や社会を取り巻く表層の部分は、あらゆる相互関係の中で目まぐるしく変化をしていく。しかし本質的な部分で変化がないので、学んだつもりでも簡単に同じことを繰り返してしまう。戦争も浮気もなくならぬ人の世である。とびきりの阿呆。

 男女の情の移り変わりというのも、自分の中の価値基準が変化して別の異性に惹かれるという風に錯覚しがちであるが、これもわりかし心の表層における諸行無常のシワザかと。恋をしたりすれ違ったりというのは、星々の軌道における接近・離反みたいなものかなと。近づいたと思えば離れ、かと思えば今度はまた別のかわゆい惑星と接近したり。彗星みたいな恋がしたい!という方もおられるでしょうが、どうせなら太陽と地球みたいな距離感の関係が望ましい哉。



 別に恋愛について話したかったわけでは毛頭なくて、4年間でそんなにたいした成長はしなかったというお話。さらば学生時代。



λ:今日の1曲

マイアミソング/andymori

http://www.youtube.com/watch?v=MJB4-uSRGJc



 宇宙警察の夜は長い。


 満員電車に揺られて帰宅後、麦酒でささやかな夕食を流し込み、一息ついたのちおもむろに

デスクトップを起動する。指紋認証システムにより私が宇宙警察であることをPCに知らしめ、

YAHOO!JAPANのトップを開きすぐさま画面右上の、小さな保安官バッジのような星のマークを

クリック。

 宇宙警察の任務は、FC2という非常に巨大な国際的テロ組織の活動の偵察から始まる。

宇宙警察だとバレるとコトなので、飽くまで一般人に為り済まし、一般人用のIDで組織の内側に

潜り込み、検閲を開始する。しかし一般人用のIDでは、22:30~25:30という彼らが最も活動が活発

な時間帯における、彼らの活動の記録の検閲が3回までとされているため、宇宙警察は五感のみ

ならず幻の第六感をもフル稼働させ、一手一手慎重に、キナ臭い活動の記録を嗅ぎまわる。

宇宙警察としては、もっと大胆かつ緻密に彼らの犯罪を暴きたいと考えているため、近々幹部用の

IDの取得を検討している。

 彼らの活動が穏やかな時は、XVIDEOSというヨハネスブルクのマフィア並に凶悪かつ非道な組織

の中に潜入することも少なくない。但しこの組織とは言語的な障壁があるうえに巧妙な仕掛けが散在

しているため、架空請求もさることながら、うっかりFACEBOOKと連動させようものならある程度の社会

的地位を否応なく剥奪される。もちろん金輪際恋人もできなくなる。

 このようにネット社会という名の銀河系における犯罪行為を、日々検閲し、己の体力と引き換えに

殲滅していくことが宇宙警察の大きな任務の一つであると言える。


 

 閑話休題。




 λ定数【ラムダ・テイスウ】というものを御存知だろうか。


 λ定数とは、かの偉大なる物理学者アルベルト・アインシュタインが発明した重力場方程式における

宇宙項の係数である。私自身はっきりと理解しているわけではないのを承知のうえで噛み砕いて説明

させていただくと、「静的宇宙」という状態を方程式から導く際に、重力による影響を相殺するために極め

て御都合主義的に加えられた宇宙項のことである(あまり噛み砕けなかった)。つまりなんだか難しい

方程式のなかに、こいつがいるから宇宙は均衡状態なんだよん、ってな具合に付け加えられた定数

なのである(恐らく)。

 その後、現在の我々は常識として知っている通り、エドウィン・ハッブルによって宇宙の膨張が発見さ

れたため、この静的宇宙というアインシュタインの理論は見事に覆された。

 彼の死後、科学技術の進歩により宇宙が”加速度的に”膨張しているという発見がなされた際に、再び

この定数が利用できるものとして注目を集めたそうだが、当時宇宙論が覆された時、彼はこの宇宙項の

導入を「生涯最大の過ち」であると述べたそうだ。


 この日記を始めるにあたり、忘却の彼方にあった旧日記を全部読み返した。

そこには小宇宙と呼ぶに相応しいほどの、夥しい量のλ定数が存在した。綴られている内容もさること

ながら、1年以上完全に放置して忘れていたため、まさか「ヒミズ バンド」で検索するとかなり早い段階

で見つかってしまうことなど思いもよらず、不特定多数の人間の目に触れたかもしれないと考えるにつけ

ても、λ定数の二重構造的恥ずかしさを感じた。

 私のλ定数は日記のみにとどまらない。物心ついた時からλλλである。加速度的とは言わないまで

も、衰えを知らず静かに黒歴史という名の暗黒エネルギーは膨張を続けていたのである。

 元来が太宰並に恥の多い生涯でした、と言えるほど浮足だった性格であるが、それに加えて私は表現者の端くれなのである。

 何かを創造し、表現するということは、恥の積み重ねである。恥ずかしいと思ったら負けなのである。

思ったものから離脱する。いかに厚顔無恥でいられるかが、成功の鍵を握っていると私は信じるもの

である。

 従って、今再び、恥を忍んで、否、恥を忍ばずに、宇宙警察として生まれ変わった私の日常の滑稽と

怠惰と、ほんの少しの努力といったものを徒然なるままに記すことを宣言する。


 再び我が真剣なる勘違いにお付き合いいただければ、不幸にして幸いである。

 

 塗り重ねた恥の向こう側へ、恥の加速度的膨張の先へ、いざ往かん。




 λ:今日の1曲

 Take It Or Leave It/The Strokes

http://www.youtube.com/watch?v=C0qls7b5oAY