『猪飼野(いかいの)詩集』などで知られる
在日の詩人・金時鐘(キムシジョン)さん(86)が、
回想録『朝鮮と日本に生きる』(岩波新書)を刊行し、
韓国・済州島で1948年に起きた「四・三事件」との関わりをつづった。
四・三事件は、同年4月3日の反体制派弾圧事件。
南北分断の固定化につながる南朝鮮の単独選挙を
阻止しようと、民衆が武装蜂起し、
軍や警察の鎮圧部隊に数万人が殺された。
19歳の金さんは、武装隊を率いた南朝鮮労働党の一員だった。
襲撃先の郵便局では、同志が目の前でカービン銃で撃たれ、
自らも追われる身となった。
翌年5月、日本行きの密航船に乗り込み、
大阪・生野のコリアンタウンに行き着いた。
55年に出した第1詩集『地平線』で焦土と化した故郷を悼んだが、
自らの関与には触れていない。
「軍事政権下の韓国に強制送還されれば、
事件の残党ということでまず命はなかったやろうから」
日本に来た理由は「よんどころない事情」としたままだったが、
ゆるぎない詩人の言葉で「在日」を生きる意味をとらえてきた。
「そうでないと、民族意識に目覚めたことも、事件に関わったことも、
自分にとって何のよすがでもないことになる。空虚だよ。
知った者が、知らない形は取れないのよ」
韓国の民主化が進んだ90年代以降、
事件の検証が進むにつれ、講演や対談の場で体験を語り始めた。
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20150331-OYT8T50042.html
日本と韓国は、過去にないほど、政治的に対立しています。
日本統治時代の日本の善政、
済州島事件で韓国から日本に亡命した際、
日本側の人道的支援。
真実の歴史を知れば、おのずと日韓の、
また、日本人と在日韓国人の溝は埋まると思います。