旭川駅を14時発の特急ライラックに乗り札幌でスーパー北斗に乗り換え、登別温泉へと向かった。登別駅に着いたのは夕方5時少し前だった。登別の駅にはエレベーターもエスカレーターもなくM手荷物はいくら重かろうと自分自身で長い階段を上り下りしなくてはいけないのは大変であったがあんな有名な温泉地でもまだレトロな雰囲気を残しており風情のある駅舎であった。それより何より、登別のホームの駅舎はヨーロッパのIECの駅を思わせるなんだか日本離れした珍しい骨組みなのが印象的である。

 

早速駅前からタクシーで10分ほどのところにある「登別グランドホテル」に向かう。

登別温泉は比較的開けて明るい地形なのでいわゆる秘境地ではないのであるが、35年以上も前のことになるが、私の在職する聖徳大学が北海道に学外研修に毎年のように出かけているのでその旅行に引率としてお付き合いしたことがしばしばであった。

 

宿泊支配人と話をする機会があり、「いやあ聖徳さん毎年いらっしゃってくれてます」というご挨拶をいただき、久しぶりの訪問になんだか歴史を感じてしまったのである。

 

「登別温泉」は「温泉のデパート」と言われているように豊富な湯量と種類が自慢である。しかもあの大規模なホテルであっても露天風呂は源泉掛け流しにしているところが魅力的である。硫黄泉、食塩泉、鉄泉など適温の湯加減で特に露天風呂の硫黄泉は圧巻である。

 

だが私はこの露天風呂は初めてであった。かつて引率で行った時には、ある時間は露天風呂は使用禁止で館内室内温泉だけ入浴が許されていたのである。であるから今般は登別グランドホテルでは新しい温泉体験をしたのである。和室の一部を洋室に改装しリニューアルされていた。食事は、和洋中のフリーバイキングであり、美味しく堪能した。

 

北海道は、特に気候と湿度のせいかビールが格段と美味しい。そして何よりその代表格は「サッポロクラシック」である。これはキレがよく爽やかでありビール好きにはたまらぬ美味しさであり、どこの宿どこの飲食店でも用意されている北海道の代表ビールである。また各種の地ビールの味わいは格別でもある。

 

次の朝は徒歩で商店街を抜け、「クマ牧場」には立ち寄らなかったが、少し先の地獄谷にまで足を伸ばしてみた。この地獄台には登別温泉の名所であるので是非訪問されることをお勧めする。

 

午前10時43分、登別駅をスーパー北斗に乗って出発した。ある程度予測はついていたのだが、北海道内の特急列車は、一切の車内販売、自動販売機もなく、飲料水を持って、場合によっては、食料を持って乗り込まないとそりゃもう何も口にするものが数時間以上もないという現象に見舞われる。しかし主要な駅であっても売店はほとんど見当たらないので駅はあてにはならない。

 

スーパー北斗に乗って2時間50分で函館駅に着く。ここはヨーロッパの中央駅と同じで行き止まりの駅である。その少し手前に、新幹線の新函館北斗液がある。五稜郭に行くには五稜郭駅ではなく、函館駅で下車するのが良いというアナウンスがあった。

 

13時33分に函館駅に到着した。その後、駅前の朝市を抜けて函館の地ビールが飲める「函館ビール園」にて地ビールを堪能した。その後、天気が良かったのでベイエリアに向かい高速ボートで湾内を観光。湾内から湯の川温泉の方向が見渡せたのであった。そして15時過ぎのバスで湯の川温泉に向かった。