拍を取る難しさ | ドイツ暮らしの情報

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ドイツで音楽の仕事などしてる大阪人です。

生活や音楽や、
海外に興味のある方に向けての情報、またはただの呟きに付き合って下さる方との繋がりを求めて、こちらでの暮らしの様子を綴ります。

皆さんご機嫌いかがですか⁇



ミュンヘンは寒い日が続いています。

と書いて天気予報をチェックしたら
明日からもっと寒くなる様子…

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去年より冷え込んで来そうです。





外は寒いですが、
レッスンしているドイツ人の生徒が
送ってくれた練習の録音を聴いて
一人で大笑いしてしまって。

というのも、
1-2-3を言いながら練習するように
というのが今週の彼の課題で。

ドイツ語だと、

eins zwei drei(アインス、ツヴァイ、ドライ)なのですが、


日本語では何ていうの?と訊かれて

いち、に、さん

を教えたところ、
日本語の方が言いやすい!と。


録音も全部、いち、に、さん!
ととても頑張って数えていたので
まずそこでクスッと笑ってしまいました。




そして音が上がると、何故か
拍を数えているはずの声も上がってしまうのですよね。




レッスンでは、

「数える時は同じ高さで、
メロディに左右されず、規則的に!」

と指導しているのですが、
これがなかなか難しい。





そして彼は声がひっくり返るほど
メロディと一緒に高くなってるので…

高い声を出さなくていいのに
なぜか(無意識に)
メロディに合わせてしまっているので

練習の目的(拍の枠の中で弾く)
とは、もはや、ずれてしまっている。


それに気づいてないのは問題なんですが、、

無意識にいち、に、さんを

歌い上げてしまっている

無邪気な録音に
大笑いしてしまいました。

むっちゃほっこりしました。
ありがとう、生徒くん。





でもね、
拍は歌うものではなく
刻むもの。


ベートーヴェンで特に感じます。



今取り組んでいるチェロソナタ4番、
作品102で、面白いのが作品101のピアノソナタと似てるな!と思うところもあって。




ベートーヴェンのハ長調といえば
私はワルトシュタインがすぐ浮かぶのですが、
同じハ長調でも

このチェロソナタを弾いてると、
より神聖で、クリアな精神性を感じます。

自分の人生の陰も陽も
全て受け入れている、
そんな強さと愛をベートーヴェンから伝えられているような、気がしてきます。

面白いのが、根っからの激しさとか神経質なリズムは健在していて、
神々しい部分とコントラストがあるところ。


私はその美しさに、
ついつい拍の枠を超えてしまいがちなんですが、
ここでも拍ありきの歌。
ロマン派のような強いルバートは

あなた、やりすぎよ!
と言われてしまう。



結局私も、生徒と同じように
拍を取る難しさと向き合っているのでした。

とほほ。






この寒いのに、ここではインフルエンザBが流行っているそうです。

皆さま、身体をお大事に。