激震。青天の霹靂。 | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

激震。青天の霹靂。



 U-20ホンジュラス代表に激震が走っています。


 昨日、サッカー協会会長から、ホンジュラス代表歴代最多得点記録保持者でありホンジュラスサッカー界のレジェンドである元FWカルロス・パボン の「U-20ホンジュラス代表アシスタントコーチ就任」が正式発表されました。

 これが一体、なぜ我々にとって「激震」「晴天の霹靂」なのか?

 サッカー協会会長としては「ホンジュラスサッカー界のレジェンドであるパボンには将来的にフル代表の監督、もしくはコーチになって欲しいと考えており、そのためのプロセスとして、まずはU-20代表で経験を積んでもらう」という目的があるようです。

 ただ、「時期」が時期です。

 【ツイッター 】や【フェイスブック 】で何度か書いてきたのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、今月(7月)17日から、来年のU-20ニュージーランドW杯出場を懸けた中米予選が始まります。大事な予選開始まで僅か「2週間」というタイミングで、いきなりこれまで全くチーム造りに関わってこなかった人物が外から新スタッフとして入ってくる…しかも国内では絶大な影響力を誇るレジェンド、パボンです(日本で言うところのキング・カズのような存在)。

 2月にチームが発足してから4ヶ月間…監督、アシスタントコーチ2人、GKコーチである自分…スタッフみんなが一致団結し、頻繁にミーティングを行って同じ哲学と計画を共有し、ここまで一歩一歩…協力し合ってチーム造りを行ってきました。選手、コーチングスタッフ、トレーナー、ホペイロ、シェフ…全員が各々の仕事を高いレベルで実践し、素晴らしいチームに仕上がっていっていました。チームは正に、理想的な状態にありました。

 そこに突然、その「4ヶ月間」の我々の取り組み、プロセス、哲学、計画…全く何も知らない外部の人間であるパボンが予選開始の僅か2週間前という時期になって、アシスタントコーチとして入ってくる…。チームに与える影響を考えると、正直、不安でなりません。

 パボンは選手としては素晴らしい実績を誇りますが、「コーチ」としては昨年、そのキャリアを始めたばかり。指導者資格も昨年取得しました。コーチとしての能力は、未知数…。それに、我々の中に溶け込めるのかもまだ分かりません。何せ、予選開始まで「2週間」と、時間が全くないですからね…。

 さらに、一番の問題。パボンをアシスタントコーチに入閣させるために「現在居るコーチングスタッフの内の誰か1人が削られる」可能性があるのです。特に2人居る現在のアシスタントコーチは「俺がクビになるのか…」と不安を隠せません。僕もGKコーチですが、他人事ではありません。アシスタントコーチの内1人は、元GKコーチ…。監督との関係も昔からの旧知の仲で深い事から、僕の処遇も全く安泰ではありません。パボンの加入で、コーチングスタッフみんなが「解雇」の不安を感じているという異常な状況…。予選開始2週間前というこの大事な時期に、こういう不安をスタッフが抱える、チーム造りに集中できない…という事自体が、大きな問題です。

 そもそもなぜ、この時期にパボンがU-20代表に突然入閣する事になったのか?理由はいろいろあるのですが、今、日本でW杯直後に「新監督アギーレ」の名前が出て大きく報道さている…のと似ています。

 今回の出来事は本当に全く何の前触れもない、正に「晴天の霹靂」であり、自身の未来がどうなるのか不安でチームに激震が走っていますが、自分だけじゃなく、これまで素晴らしい仕事をしてきたアシスタントコーチ2人など、コーチングスタッフを1人も削る事がないよう祈り(もはや祈る事しかできません)、もしそうなれば、新加入するパボンと協力し合ってさらに良いチームを造り、必ず来年のU-20ニュージーランドW杯への出場権を獲得します。

 ちょっと不安で動揺もしていますが、結局は成るようにしかならないし、僕は「今できる事」に、ただただ全力を尽くすのみです。それ以外にできる事は、ありません。

 全てが上手くいきますように…。



コスタリカでGK練!2014年6月



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